採用した外国人をすぐに逃さない企業側の秘訣
「ホテルの勉強をしてきたインターン生は日本語が苦手で、日本語学科のインターン生はホテルの業務が苦手」と、どちらも一長一短というのがインターン生の特徴でした。 しかし、今回の4人はホテル業務に興味があり、さらに日本語が話せることで、既存の従業員とのコミュニケーションがスムーズにいき、教育もしやすくなりました。すべて日本語でコミュニケーションを取ることができ、休憩時間も日本人従業員と一緒に過ごしていました。
■日本人社員からのこまめなサポート 彼らが安心して働ける理由として、総務部の山川竜太課長と小濵(こはま)彩乃さんの存在が大きいようです。会社が用意している寮にもたびたび顔を出して「元気?」「何か困ったことはない?」などと声をかけてくれ、何かと相談に乗ってもらえると、実習生たちからも評判です。 技能実習生のインジンシュエイーさんは、来日3カ月目に実父を亡くしました。「会社は帰国を勧めてくれましたが、帰国しても何もできないので残りました。つらい日々でしたが、小濵さんらがいろいろと話し相手になってくれたおかげで、乗り切ることができました」と感謝します。「小濵さんと休みの日に一緒に海を見に行くのが好きです」とも話しています。
寮の冷蔵庫の調子が悪い、エアコンの効きが悪いなど、細かな生活の不具合もすぐに情報を入手し、対応できています。「ミャンマーの人はなかなか自分から直接問題を伝えないため、実は小さなことが積み重なって生活のストレスになりがちです。 このように、仕事だけでなく生活面でも小さな情報を入手する経路を整備することは、外国人材の定着にとって非常に大切です」。4人の技能実習生が所属する監理団体であるハロージャパン協同組合の島袋善徳理事長は話しています。
「南の美ら花ホテルミヤヒラ」では、これまで外国人採用はインターン生が中心でした。企業としては長く働いてくれる方がありがたく、1年ごとに人材が入れ替わるインターンシップ制度と比べると、技能実習生は監理組合への費用や給料が日本人と同等で、インターン生より費用がかかるものの、長く働いてくれるため助かっているようです。 インターン生は1年間の滞在ですが、母国に戻った後、大学を卒業して再びミヤヒラに戻って働きたいという人も出てきているようです。