柿沢前法務副大臣逮捕 検察が年を越えてまで動くのは理由がある
キヤノングローバル戦略研究所主任研究員でジャーナリストの峯村健司が12月29日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。江東区長選挙をめぐる買収などの疑いで逮捕された柿沢前法務副大臣について解説した。
江東区長選めぐる買収などの疑いで柿沢未途前法務副大臣を逮捕
2023年4月に行われた東京都江東区長選挙の選挙運動の報酬として、区議会議員らに合わせて約260万円を提供するなどしたとして、東京地検特捜部は柿沢未途前法務副大臣と秘書4人を公職選挙法違反の買収などの疑いで逮捕した。 飯田)区議選も合わせて行われていましたが、特捜としては票の取りまとめを依頼した容疑で逮捕したそうです。 峯村)昨日(12月28日)、たまたま議員会館に用事があったのですが、たくさんの報道陣が集まっており、久々に国会議員が逮捕されて「盛り上がっているな」という感じでした。いまの特捜部には精鋭たちがいるだけあって、まず公選法の買収で動いたところは、元社会部記者としては「うまいやり方だ」と思ってしまいました。買収は証拠がつきやすいので、まずは入り口から固める。次にYouTubeなど、ネット選挙の難しい方に進むのが手堅いやり方です。
権力闘争が激しく事件がつくりやすい状況だった
飯田)お金の性格について、柿沢氏側は「区議選の陣中見舞いであり、それなら法に触れないだろう」と主張しているようです。 峯村)でも、1人あたり20万円ですよね。陣中見舞いとしては多いと思います。もちろん、配るときに「誰を推してください」と区長の名前を出すことはないと思いますが、それは通用しないでしょう。江東区はもともと柿沢氏のお父様の地盤があって、山﨑元区長と木村前区長を含め「三国志」と呼ばれるぐらい、激しく争っていた地域です。権力闘争があるところには、密告が入りやすく、事件がつくりやすい素地があったようです。 飯田)もともと秋元司元議員がいましたが、IR事業に絡む汚職事件で自民党を出て、議員辞職せざるを得なかった。そこで柿沢氏が出てきたという流れですが、遺恨が重なっているのでしょうか? 峯村)そうですね。柿沢さんは「みんなの党」などを転々としているので、「自民党で足場を早く固めたい」という焦りがあった。また、影響力を保持したかったところもあり、無理なことをした可能性があるのではないかと言う人もいます。