最古のヘッジファンド戦略が復活か-成績改善で2年ぶりに資金純流入
(ブルームバーグ): 株式ロングショート戦略のヘッジファンドに2年ぶりに資金が流入した。運用成績の改善が人気を復活させた。
データ提供会社ナスダック・イーベストメントによると、株式ロングショート戦略ヘッジファンドには3月に15億ドル(約2300億円)が純流入した。純流入は24カ月ぶり。
3日に発表された数字によれば、株式の銘柄を選んでロングやショートのポジションを取るこの戦略は、ヘッジファンド業界では依然として最大で、業界全体の運用資産3兆6000億ドルの2割以上を占めている。
株式ロングショートファンドの成績はここ数年、株価指数の上昇に後れを取っていた。特に2022年が不調だった。ブルームバーグがまとめたデータによると、株式ロングショートは23年のパフォーマンス最高の戦略の一つで、今年も好調を維持している。同戦略は過去3カ月に7%近いリターンを上げた。次に成績の良かったイベントドリブンとマクロ戦略のリターンは4%付近だった。
ナスダックイーベストメントのデータによると、ヘッジファンド業界全体は2月に、21年4月以降で最高のパフォーマンスを記録した。
こうしたことが投資家の意欲を高め、BNPパリバの最近の調査では、回答者の28%が24年に株式ロングショート戦略に資金を振り向ける予定だと答えた。この割合はクレジットファンドに次いで高かった。
とはいえ、今月の資金流入はここ数年の流出を覆すものではない。ナスダックイーベストメントによれば、株式ロングショート戦略からは過去2年で700億ドルが流出した。
原題:Oldest Hedge Fund Strategy Winning Cash After $70 Billion Exodus(抜粋)
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Liza Tetley, Nishant Kumar