小倉智昭さんはシャイで太っ腹! ポケットマネーでスタッフと一泊二日「温泉旅行」
フリーアナウンサーの小倉智昭さんが9日午後3時8分、膀胱がんのため亡くなった。77歳だった。1999年から2021年まで朝の情報番組「情報プレゼンター とくダネ!」(フジテレビ系)の総合司会を務め、日本を代表する〝朝の顔〟として活躍した小倉さんの素顔は―― 【写真】21年前… 在りし日の小倉智昭さん 「とくダネ!」での歯に衣着せぬ発言で、幾度となく炎上した。 「小倉さんは『今、炎上してるよね』とネットの反応を分かりながら、それでも偽りのない言葉を世間に発信することを肝に銘じていた。番組を盛り上げようと、あえて炎上することを狙っていたわけではなかった」(番組関係者) 番組でのイメージから、「嫌いな司会者」などのランキングでは常に名前を連ねていた。 「そのようなランキングを全く気にしていないかといえば、そうではなかった。『俺は人気ランキングには一度も載ってない』とグチり、『人気の方にランキングしてみたい』などと願望を口にすることもあった」(同) 繊細な面もあり、落ち込むこともあったというが、その背中を押し続けていたのが、38歳のときに再婚した15歳年下のさゆり夫人だったという。 「小倉さんが炎上などで後ろ向きになっていても、笑顔で『大丈夫よ!』とあっけらかんとフォロー。そんな姿に励まされ、小倉さんは常々感謝していた」(同) 共演者やスタッフらの印象は世間のイメージとは〝逆〟。本番前の打ち合わせ、本番後の反省会では基本的には物静かで、シャイな優しい姿を見せていたという。 10日放送の「めざまし8」では、「とくダネ!」で共演していた元フジでフリーの笠井信輔アナが「やさしい人だった。一般の皆さんのイメージと違う」「気配りの多い人で、気にしい屋さん」と明かした。 10年ほど「とくダネ!」の番組スタッフで、AD、ディレクターを務めたテレビ制作マンも「とにかく優しくて懐の深い人だった」と明かす。 「とにかく偉そうにしないんだよね。ディレクターなんていっぱいいるのに、一人ひとりと話す時も偉そうぶらずに、一人のディレクターとして接してくれたのがうれしかったなぁ」 一番の思い出は「番組スタッフを、中野坂上(東京・中野区)の自分の焼き肉屋に招待して、ごちそうしてくれたこと」だという。「50~60人はいたんじゃないかな。すごい金額になったと思う」 小倉さんは、番組の視聴率に応じてポケットマネーを出して貯金し、10%を超えるとこうした食事会を開いていたそう。その〝視聴率貯金〟がある程度貯まり、「スタッフを温泉旅行に連れてってくれたこともある」という。 「オンエア終わりの金曜日にバスで出発して、1泊して帰ってきた。記憶してる範囲だと、群馬の四万温泉と、神奈川の湯河原温泉。番組スタッフ全員だから、百数十人はいたよね。もちろんお代は全部、小倉さんもちで…」。制作マンは、小倉さんの器の大きさを懐かしんだ。 優しく気遣いのできる小倉さんのことを、関わった人たち全員が慕っていた。
東スポWEB