NBAドラフト候補八村塁は豪球捕れる捕手不在で野球からバスケへ転向!
だが、ゴンザガ大に入ってからは、まずは語学習得に苦労した。 「彼のスポケーンでの生活と米国バスケットボールへの適応は初日から困難を迎えた。ゴンザガ大学の英語センターでの勉強に長時間を費やした。彼の努力は、教員からはあふれんばかりの賞賛を受けるようなものだった。チームメート、歌、お気に入りの『ヴァンパイア・ダイアリーズ』といったテレビ番組からフレーズや言い方を学んだ」 ゴンザガ大の関係者は「八村の英語の理解レベルは1年目の終わりで20%から30%、昨年は60%から70%、今は90%は掴んでいる」と証言している。 八村のバスケットについては、「コートでの成長ぶりはAAU(アマチュア・アスレチック・ユニオン)でのプレー経験のない選手としては驚くべきものだ」と評価。 八村は派手なダンクを披露してファンの人気を集めた。昨シーズンは、ベンチ出場ながらウエストコースト・カンファレンスで、オール・ファーストチームに選ばれる栄誉を受けた。「今シーズンは頼られる選手として、より独断的でコート上で感情をあらわにし、オフェンス能力が広がったことを見せるようになった」と絶賛された。 同紙は、最後に八村のNBAドラフトの可能性について言及。「八村はデューク大学、ワシントン大学との試合で決勝点となるシュートを決めた。1試合平均22.2得点で、年間最優秀選手の候補にもあがり、NBAの模擬ドラフトで指名順位を上げている」と伝えている。 ただ「NBAのスカウトたちは八村のスリーポイントシュートの能力をもっと見たがっている。彼はスリーポイントシュートを15本放ち7本決めているが、15フィート以内(約4.57メートル)のプレーを最も得意としている」とも指摘。 その点についてロイド氏は、「我々は、彼の弱点克服についても取り組んでいるが、彼の長所は明らかだ。そこで別のプレーをさせれば、彼にもチームにもマイナスとなる。彼は、今後、どう進化、変化し、どんなレベルでも、今のようなプレーができる。(八村)塁は、NBAで5番(センター)、4番(パワーフォワード)、3番(スモールフォワード)でプレーできるだろう。そのことが多くの人が彼に興味を示している要因だ」とコメントしている。 同紙は、「来年のドラフトはとりわけ有力選手がそろっているとは考えられておらず、もし八村が(アーリーエントリーをして)4年生のシーズンを飛ばせばドラフト抽選で選ばれるチャンスが強まる」と予測する。 その一方で、NBAスカウトの1人は、同紙の取材に対して八村がスリーポイントシュートにためらいを見せること、インサイドへドライブした際には、まだ素晴らしいフィニッシャーとはなっていないことを理由に『彼に素晴らしい将来性があるとは思わない。ただ、彼が良い選手であることは間違いないだろう』というネガティブな談話も残している。 同記事は「八村が、もしNBAドラフトの指名を受ければ日本での人気はさらにアップするだろう」として、ロイド氏が、数年前の夏に東京を訪れ、八村と一緒に渋谷のスクランブル交差点を歩いた際に感じたコメントで、まとめられている。 「渋谷を塁と歩いたが、タイムズスクエアのような活気で、地下鉄は混み合っていた。歩きながら『これが、彼にとって一般市民として、普通にここを歩くことのできる最後の機会になるのかもしれないな』と考えていた。こんなことを考えるのはクレイジーだ」 米の地元紙が予測するように、もし八村が日本人として初のNBAドラフト指名を受ければ日本のバスケットボール界の歴史は大きく塗り変わり、テニスの大坂なおみ、MLBの大谷翔平クラスのビッグネームになるのかもしれない。