「意外と点が入る」新基準バット、勝利を摑むチームの「3つの条件」とは?
ピッチャーは芯を外す投球ができるか?
新基準バットになったことで、投手が有利になったことは間違いない。 3月以降、打者を抑えている投手の傾向を見てみると、速球と変化球を内外角へ投げ分け、追い込んだ場面でストライクからボールにできる変化球を持っていることが多い。 新基準バットに順応する私学強豪校を見ると「もう抑えられないのでは」と思ってしまうが、芯を外せば、高反発の時と比べると打球の失速はしやすいので、チャンスはある。 また今年から高校野球は走者がいない時、二段モーションが解禁され、投手の技術向上も期待できる。 守備面では、前述のとおり、冬を越えてパワーと打撃技術を進化させた選手が増えてきたため、打球が想定以上に伸び、前進守備をしていた外野手が対応出来ていないケースが目立っている。実戦が始まって適切な守備位置を掴みきれていない。しかし、ポジショニングの問題は試合経験を重ねる事で是正されるだろう。
ロールモデルは昨年のU-18日本代表
新基準バット時代に全国を制するには、どんなチームを目指せばいいのだろう。そのモデルになるのが、昨年史上初の世界一となったU-18代表だろう。馬淵史郎監督(明徳義塾)が率いたこのチームは「スピード型」。守備力の高い選手が揃っていた。 馬淵監督は記者会見で、こう語っていた。 「高校野球では、長打も脚力もある1番や3番タイプが多いほど、強いチームになると私は考えています。1番打者は調子が良ければ3番も打てますので。また、相手のスキをつけるような選手も必要です」 世界一となった日本代表は、台湾、アメリカ、韓国の上位4カ国と比較しても、打率、長打数トップだった。アメリカ、韓国の選手には体格は劣るものの、ミート力が高い選手が多かった。他国の選手が浅めに守る外野の間を抜く打球を打って、次々と点を加える攻撃は爽快さがあった。 「外野の間を抜く鋭い打球が打てる俊足タイプ」の需要はより高まっていくのではないか。センバツでの各チームの新基準バット対策に注目していきたい。