「意外と点が入る」新基準バット、勝利を摑むチームの「3つの条件」とは?
新基準バット攻略のポイント:打者は芯を捉えろ!
現時点での、「新基準バット」攻略のポイントを、打者・投手・守備の3つの角度からまとめていきたい。 まずは打者から。 上述の通り、新基準バットで最も有効なのは、外野の間を抜くライナー性の打球だ。山梨学院から8得点を記録した浦和学院の各打者が捉えた打球は次々と左中間、右中間に抜けていった。 浦和学院打線は、バットが変わっても全くスケールは落ちていなかった。 森大監督は「選手たちには『新基準バットになっても関係ない』と伝えてきました。うちは“超攻撃野球”なので。この冬も選手たちの出力を高めるためのトレーニングをやってきたのが大きいと思います。出力を高めると、バットの影響は出にくいかなと思います」 浦和学院は以前から冬の練習期間、木製バットやコンポジバットを使って、バットの芯で捉える技術を高めてきた。さらにトレーナーと連携しながら、合理的にフィジカル強化を測ってきた。フィジカルを高めつつ、打撃技術を高められるチームは新基準バットに強いといえるだろう。 本庄東の田中監督も昨秋の時点で、新基準バットについてこう語っていた。 「うちの選手でも1 人だけ華奢なのに前のバットより飛距離が出るコがいます。その子は元々練習の時から木製バットを使っていた。(新基準バット対策は)技術次第ではないでしょうか。今後は芯に当たる確率を上げる練習をしていきます。例えばライナー性の打球を求めるとか。飛ばなくなったから、より筋トレをするというのは違う。今までは誤魔化せていたが、筋力=飛距離ではなくなったということ」 また3日の抽選会に出席した帝京の二郷 ワタル内野手もヒントになるコメントを残していた。 「新基準バットに変わることで、高い弾道の打球は飛距離が出ない。だから大体45度くらいの角度で伸びる打球を飛ばす。同時にスイングスピードを上げていくことが大事だと思っています」 今年のドラフト候補に挙がるモイセエフ ニキータ外野手(豊川)は木製バットを使いながらセンバツへの準備をしている。 「練習とは違います。試合で投げてくる投手のボールをしっかりと芯で捉える難しさは感じています。芯でとらえる技術を高めないと思っています」 芯でボールを捉え、鋭い打球を打てるかどうか。これが新基準バット攻略のポイントだろう。