龍谷大平安・三尾健太郎選手(3年) 祖父に届けた8強 /京都
天国のじいちゃん、見てくれたかい--。第91回選抜高校野球選手権で3年ぶりの8強に進出した龍谷大平安の6番打者として、3試合で5安打3打点と活躍した和歌山県みなべ町出身の三尾健太郎選手(3年)は、自分や3年前のセンバツで同校の記録員としてベンチ入りした兄拓也さんの活躍を楽しみに応援してくれた祖父博司さん(享年78)が昨年12月30日に亡くなった。 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 博司さんは兄弟が地元の硬式野球チームに所属していた時は、よく応援に来てくれた。「中学の試合は全部見てくれたと思う」。野球のプレー経験はなかったが、「調子の悪い時は思い切ってバットを振るんや」などと励ましてくれたという。 梅加工業を営む父昌司さん(46)によると、昨年末に三尾選手が帰省した際、硬球や「じいちゃんがんばれ」と記した龍谷大平安野球部応援用の赤いハチマキを渡して見舞った。しかし、博司さんは今年1月のセンバツ出場の報を聞くことはできなかった。「兄は記録員だったので、じいちゃんは甲子園へ行かなかった。自分の時こそと思っていたのに」 三尾選手は昨秋の公式戦で3失策を犯すなど守備が課題だったが、センバツでは2回戦で巧みな打球処理で併殺を奪うなどして無失策。攻守にはつらつとしたプレーを見せた。スタンドに姿はなくとも、博司さんは空の上から見守ってくれたと感じている。【矢倉健次】 〔京都版〕