「やっと会えたね」…オンラインフリースクールの修学旅行で弾けた笑顔 傷ついた子どもたちに本当に必要なものとは?
「中学校3年生の時にクラスの女子全員に集団無視をされ、それが卒業まで続き、学校に行くのがすごく辛い時期があった」(「aini school 小中等部」運営スタッフ 森真弓さん) 中学生の頃いじめられていたという森さん。学校に葛藤や違和感を抱いて過ごしていたという。 「将来学校に行かない選択をした子どもたちが尊重され、学校以外にも居場所や学びの選択ができる社会になってほしいと当時から思っていた」(森さん) 開校からおよそ1年…オンラインの枠を超えた新たな取り組みも始まっている。 「娘と静岡県の富士山ワイルドアドベンチャーに行った際にすごくいい場所だと感じたので、子どもたちに『ここで修学旅行やるのどう思う? やってみたい?』と投げかけたところ『行きたい! やりたい! 行こうよ!』などの声がどんどん上がった」(森さん) キャンプファイヤーで何の音楽を流すか、朝昼晩何を食べるか、しおり作りなどについても毎週1回会議をして、子どもたちが中心となり企画や準備をしたという。 そして約1カ月後、子どもたちの修学旅行が3月に実現したのだ。今まで画面上でしか交流したことがない18人。中には過去に学校でいじめられたり、傷つく体験をして「人に会うのが怖い」としばらく家から出られなかった子どももいた。しかし、その関係性はオンラインとなんら変わらなかったという。
「会った時は感動して抱き合ったり、握手したり、『やっと会えたね』と。みんな初めて会ったはずなのにそう思えないほど打ち解けた。オンラインとリアル、変わらずに関係性を築けていたんだなと感じた」(森さん) 修学旅行後、「今までよりたくさんお手伝いをしてくれるようになった」「親子の関係性もよくなった」「外にも出るようになった」といった変化の声も。 また、「aini school」に通った生徒の中には、以前に通っていた実際の学校に戻った生徒もいるという。 「傷ついた学校という場にいきなりまた戻るのはハードルが高いかもしれないが安心できる出会いや居場所に触れたことで『もう一回外に出てみようかな?』『もう一度あの人には会ってみようかな』という気持ちになるのかも。その“スモールステップ”がすごく大事だ」(森さん)