博多座で歌舞伎NEXT「朧の森に棲む鬼」 幸四郎さん、松也さんら出演
博多座2月公演「歌舞伎NEXT『朧(おぼろ)の森に棲(す)む鬼』」に出演する松本幸四郎さん、尾上松也さんが11月14日、福岡で公演に向けた思いを語った。(博多経済新聞) 歌舞伎の新たなステージを目指して、2015(平成27)年に誕生した「歌舞伎NEXT」。第1弾は、劇団☆新感線が2002(平成14)年に上演した作品「アテルイ」を、「歌舞伎NEXT『阿弖流為(あてるい)』」として上演した。第2弾となる今回は、同劇団が2007(平成19)年に上演した作品「朧の森に棲む鬼」を、中島かずきさん作、いのうえひでのりさん演出の下、歌舞伎NEXT版として上演する。 主人公のライと、ライと対峙(たいじ)する四天王の一人・サダミツを松本幸四郎さん、尾上松也さんがダブルキャストで演じる。幸四郎さんは、劇団☆新感線版の同作品でも主人公のライを演じた。松也さんの歌舞伎NEXTへの出演は今回が初めてとなる。このほか出演は、中村時蔵さん、坂東新悟さん、尾上右近さん、市川染五郎さんなど。 上演について幸四郎さんは「歌舞伎と、いのうえさんを指揮者とする新感線チームとを混ぜ合わせると何ができるか? というのが歌舞伎NEXTのテーマ」とし、「17年前を思い出すというより、新しいものを作っているという感覚。ただ歌舞伎の手法を使っただけでは、見てもらっても感動はないので、歌舞伎の手法を使ったことで、どれだけ効果的な表現方法になるかだと思う。以前と比べてではなく、漠然と、17年前よりはるかに面白いものを作っているという気持ち」と話す。 松也さんは「『朧の森に棲む鬼』は憧れを持って何度も見ていた作品。最初に見た時、とにかくかっこいいと思ったし、作品も本当に面白かった。自分が憧れていた作品なので、幸四郎さんと一緒に演じられるのは光栄と同時にプレッシャーも感じる」と話す。 博多座での上演について、幸四郎さんは「劇場の懐が深い。新感線の舞台をするのに、これ以上適した劇場はない。博多座の舞台機構は最強だと思うので、今は博多座でないとできないものを作り上げている最中」と話す。松也さんは「非常に使いやすく、すがすがしい、心地よく使える劇場。そこで芝居ができるのは役者冥利(みょうり)に尽きる」と話す。 公演に向けて、幸四郎さんは「とにかくすごい芝居なので、ぜひ刺激を受けに来てもらいたい。展開の早い芝居で、音楽も力強く、舞う、踊るということや、アクションもある。あらゆる舞台の表現方法が詰め込まれ、新しい形で表現されているので多くの方に見てもらえたら」と呼びかける。松也さんは「新橋演舞場での上演から1カ月空くが、稽古場の熱量、新橋演舞場の熱量そのままに、さらに言うならそれ以上の熱量を持って最後まで走り抜けたい」と意気込む。 公演期間は来年2月4日~25日。チケットは、A席=1万6,500円、B席=1万500円、C席=6,500円。
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