「出会い系サイト規制法」でSNSの不適切な出会いは防げている?専門家「同性間は対象外」「児童の売春は自分の意思で落ちている」
■法に抜け道…同性なら出会い系サイトに規制なし?
ところが出会い系サイト規制法には、いくつもの“抜け道”があると中川氏は指摘する。法では対象を「異性交際」に限定していることで、同性は対象外。LGBTQのケースは対象ではなく、届け出も不要になっている。また18歳以上なら利用可能なサービスにおいても、未成年者が紛れる可能性は払拭できていない。また、出会いを目的としないSNSにおいては、青少年インターネット環境整備法という別の法律がある。これは携帯電話の事業者に対して青少年に販売する場合には原則フィルタリングサービスを提供することを義務付けているが、LINEであれば12歳以上推奨(18歳未満は一部接続制限あり)、XやFacebook、Instagram、TikTokは13歳以上とされ、未成年の利用は防げていない。 中川氏は、出会い系サイト規制法によってプラットフォームを使った児童買春が行われる可能性は減っているというものの、男女の出会いを目的としていないSNSで同様の行為が起きている実態もあると指摘する。大学生のshoheiさんも「InstagramのDMで、とかは結構聞くような話」と、日常的に起きているようだ。プラットフォーム側の規制について中川氏は「結局、今は自主規制。プラットフォームが自分たちでやるしかないが、ビジネス的にはマイナス。登録者数が見てもらえる人が減る。そこが法律が必要な理由」と述べた。
■性被害に遭っていても自覚がない児童
法によって児童を性被害から守るべく、法の制定や自主規制が模索される中、実際に売春が起きる理由は、一般的なイメージと異なるものも多いという。中川氏は「児童の方が何か性被害に遭いました、という時に通常イメージするのは無理やり襲われた、嫌がっているのにされたとかだと思うが、意外にそうではない。売春は最たるもので『お金を払ってくれたらいいよ』と自分の意思で落ちている。この子の今後の健全な発展・育成にはよくないと第三者が規制している。気軽にお小遣いが欲しいから、ここに登録して、求めに応じてお金をもらってしちゃいました、みたいなことが結構多い」と語った。さらには「お金をもらうなりの関係を持った時、本人ではなくて親が気づいて通報するパターンが多い。本人は被害者という認識がないというケースが多く、これをどういう形で可視化するのか、という議論がある」と、本人が性被害に遭っているという自覚がない問題を指摘していた。 (『ABEMA Prime』より)