【バレー】河野裕輔のエール!! VNL総括編
控えの重要性
日本バレーのコンセプトは「誰が出ても同じ戦術が遂行できる」ことであり「高確率でサイドアウトを取り続けることにより被ブレイクを極端に減らす」という目標を達成することにあるのではないだろうか。このコンセプトが高いレベルで実現した現在、「ゲームを戦術ベースでリベロを含めた7人ではなく14人で戦える」という理想的なチームに仕上がっている。これが石川や高橋、西田などの「個人」に依存するチームであるならば「主軸の疲労≒チーム力の低下」という事態が起こる。そうなるとチームの勝率は極端に下がりよくある「●●選手が限界だった」という表現を目にすることになる。 しかし現在の日本代表の控えはどうか。OHには大塚、富田、甲斐、MBには高橋健太郎、エバデダン、OPには宮浦、Sには深津、Lには小川というスターティングにも引けを取らないメンバーがいるではないか。そしてこのメンバーは頻繁にゲームに出場しており諸外国とのゲームにおいても活躍をいくつも上げる事が出来る。そしてこの控えの選手たちもチームコンセプトに沿った上で自分の特色を出してチームを彩ってくれることはVNLが証明してくれた。
オリンピックに向けて
先日12名のエントリーが発表されたが、ポイントはOHの控え枠、大塚、富田、甲斐のうち誰を選ぶのか、Lはどちらか、MBはエバデダンはどうかというところであったがOHは大塚/甲斐、MBは高橋健太郎、Lは山本という選択であった。そして13番目のリザーブに富田という布陣でオリンピックを戦う。そこで13番目の選手の意味を考えてみた。ブラン監督が13番目に与えた役割は「守備」であり、大塚に与えた役割は「ユーティリティーさと安定感」なのではないか。あってはいけないことだが登録の誰かが怪我等でプレーできなくなった場合に富田が登録されることになるが仮にOPが怪我の場合でも大塚がOPの控えに回ることが出来るし極端な話山本が怪我をしても高橋藍や富田でフォローできる。この「何が起こっても極力対応できるカタチ」を目指した13人なのではと感じた。