首相「賃上げ物価以上に」 新年会、祝賀の文言削除
岸田首相は5日、東京都内で開かれた経済3団体の新年会でのあいさつで、今年の春闘について「物価上昇を上回る所得増を実現しなければならない。力強い賃上げを実現していただきたい」と述べ、集まった企業トップに改めて積極的な賃金引き上げを要請した。経済界を代表し、経団連の十倉雅和会長が「昨年以上の熱量と決意で取り組む」と話した。 能登半島地震と羽田空港での航空機衝突事故の直後のため、3団体は当初案内していた「新年祝賀パーティー」の名称を「新年会」に変更。首相は、昨年の賃金や株価の上昇に言及し「この流れを決して後戻りさせることなく、確かなものにしていくため、あらゆる手だてを尽くす」との姿勢を強調した。 今春闘では、連合が基本給のベースアップ(ベア)を3%以上とし、定期昇給分と合わせて5%以上の賃上げを求める方針。5日は三井不動産の植田俊社長が平均10%程度の賃上げ実施を明言、ローソンの竹増貞信社長も5%超とする考えを示した。こうした動きが今後、中小企業を含めて大きく広がるかどうかが焦点になりそうだ。