黒トリュフの人工発生に成功、白トリュフ含め安定した栽培技術開発へ 森林総研など
白トリュフについては、2017年10月茨城県、19年4月に京都府など4カ所に苗を植え、茨城県と京都府の試験地で22年11月にキノコができた。茨城県では約6年、京都府では約3年7ヶ月で人工発生したことになる。
山中支所長によると、黒と白のトリュフでは、育ちやすい土壌の酸性度が異なるとみられる。黒トリュフの方がアルカリ土壌を好むようで、苗木を植える前などに石灰をまくなどの処理をしたという。一方、温度や水分量については、黒か白のトリュフができた試験地間、あるいはキノコができた試験地とできなかった試験地の間に明らかな差異は認められていない。
今後は同じ場所でキノコ発生が毎年続くのかを確認しながら、安定的に発生させる技術開発を進める。「実験室で水分量や温度などを管理するだけでは、マツタケと同じようにトリュフもキノコをつくらない。マツタケが地上に現れるには落ち葉かきや雑木を切るなど松林の管理が鍵となっているように、トリュフでも試験地の周りの土地利用なども含め、キノコができる条件を明らかにしていきたい」と山中支所長は話している。
黒トリュフの研究成果は12月4日、岐阜県森林研究所と森林総研がプレスリリースで発表した。