数々のスキャンダルもみ消したジャニーズの剛腕、故メリー喜多川はいかにしてメディアを支配したのか?
■ 「ジュリーさんの対応はマトモだった」 平本:現役時代に深く付き合いがあったわけではありませんが、僕と彼女は同い年です。ジュリーさんは、十代の頃からジャニーズ事務所の仕事を手伝っていました。14歳くらいにはもう仕事場に姿を見せていたのかな。ファンクラブの運営や事務所でお茶くみもしていて、そうした姿は僕が在籍していた時に、時々目にしていました。 僕は、彼女が社長を継いでよかったと思っています。メリーが生きていたら、BBCが報じようが、絶対に性加害の事実などジャニーズ事務所は認めなかったと思う。「無視しときなさい」でおしまいだった。 ──英BBCが報じた1カ月後、カウアン・オカモト氏が外国特派員協会で会見を開いた時に、ジャニー喜多川氏がカウアン氏に性加害を加えている様子を映した動画を持っていると語ると、ジュリー氏が慌ててカウアン氏と面会しました。「動画を出されたらアウトだ」と考えたのだと感じました。 平本:それでも、メリーだったら無視していたと思う。あるいは、お金を握らせて黙らせようとしたかもしれません。その点、ジュリーさんの対応はマトモで、彼女はメリーほどには強くなかった。後に僕は彼女と再会した時に、感謝の意を伝えましたよ。 BBCが報じて、カウアン、橋田と被害者たちが実名告白を始めた段階では、まだテレビを中心に大手メディアはこの問題をきちんと報じていませんでした。ところが、ジュリーさんが顔を出して謝罪動画を配信したら報道が本格的に始まった。それまでは、大手メディアは怖がって手を出さなかったのです。 ──「自由に発言をしていいのなら『俺だって被害者なんだ』『俺だって誹謗中傷を浴びているんだ』と言いたいんじゃないかな。東山はきっと僕なんかよりも、100倍以上の誹謗中傷を浴びているからね」「ジュリーさんとは元カノ、元カレという関係性もあるわけで、ずいぶん複雑な立場に置かれながらも、しっかりその務めは果たしているんだから、ものすごく男気があると思うよ」と、東山紀之社長に関して本の中で語られています。