〈朝ドラ『おむすび』放送開始記念〉待ち時間は最大6時間!? リアル超人気おむすび専門店「ぼんご」に密着「日本にとっておにぎりは特別なもの」女性店主が語る行列が絶えないワケ
不動の人気一位と根強い人気メニューとは?
おにぎりの価格は1つ300円から600円。50円、100円を追加して、別の具材をトッピングすることもできる。(※価格は取材当時のもの) 乃木坂46のメンバーには「卵黄」と「豚キムチ」が好評だったが、不動の1位はやはり「さけ」だ。次に「すじこ」「卵黄」と続く。 注文時は店内に貼られるランキング表を見て参考にしてもいいだろう。値段は税込。 「ぼんご」のおにぎりは、1日に1000個~1500個も売れる。具材はなんと57種類。その豊富さにもかかわらず、どの具材も売切れにならないように気を配る。 「お客さんに『今日これ食べたかったのにないの?』って言われるのがすごく気の毒で嫌なんです。 だから従業員のみんなには、57種類あっても絶対に欠品しないでくださいと伝えています。お客さんの声が一番ですから。 トッピングを始めた理由? 最初は『ネギを入れて』と常連さんに言われて『他のお客さんには内緒だよ』と隠れてやっていましたがバレてしまって。 お金儲けしたいわけじゃないけど、具材を2つ入れてほしいというお客さんがいたら、それを叶えてさしあげたいなと」 女将の粋なサービスが生んだトッピングシステムによって、「豚キムチ+納豆」や「まぐろ角煮+はとうがらし」など、味のバリエーションが各段に増えた。当然、それぞれの具材の仕込みにも全力を注ぐ。 一番人気の「さけ」はオーブンで焼いた鮭から小骨を抜き、丁寧に鮭フレークを作っていく。 「スタミナ焼肉」や「豚キムチ」「肉そぼろ」といった具材は大きなフライパンで炒めるので、力も必要だ。 人気具材の「卵黄」は、冷凍した卵から卵黄を取り出して3~4時間ほど冷蔵庫の中で醤油漬けにする。醤油漬けした卵黄がおにぎりに3個入る贅沢な一品だ。
卵黄醤油漬けが生まれたきっかけはNHK
人気メニュー、卵黄の醤油漬け。卵はおにぎりの具材で扱うには難しい食材のはずだが、どのようにして生まれたのか。 「たまたまスーパーで卵かけご飯風おにぎりを見つけて、『私もこれをやりたい!」と。でも生卵は傷むし、形にならない食材。卵黄の味噌漬けを作ってみても、難しいし時間はかかるしで断念していました。 それでもどうしても商品化したいと思ってたところにNHKの番組で『卵が臭くて食べられないという人は、1回冷凍して解凍後に食べたら臭みがなくなります』と紹介されていて。 自分でやってみたら解凍した時に、黄身だけがポコって出てきた。卵黄が金柑みたいでかわいいし『これだ!』と思いましたよ。 でもお醤油をかけたものをお客さんに味見してもらっても、反応はよくなかった。醤油に一晩もつけたら今度はしょっぱくて食べられません。 そうやって失敗しながら漬ける時間を研究していきました」 ひとつの食材から複数の具材が生まれる「たらこ」の仕込みにも手間暇をかける。 人気メニューのベスト10にも「生たらこ」「明太マヨクリームチーズ」がランクイン。トッピングベスト10にも「ホッキサラダ+焼きたらこ」や「明太子+高菜」など、「たらこ」系具材の活躍が目立つ。由美子さんも「たらこ」のレパートリーを自画自賛する。 「生たらこ単体以外にも『明太マヨネーズ』『辛子明太子』『イカ明太子』『焼きたらこ』『明太マヨクリームチーズ』など、たらこを素材で使用する人気商品も多いので、消費はとても多いです。 山のような量のたらこを、薄皮を開いて中身を出す作業をする必要があります。明太子も自分のところで作るし、全て手作業で仕込んでいます」