【コラム】GPT-4oはセクシーな声で誘惑、ユーザーに覚悟は-オルソン
(ブルームバーグ): 「her」-サム・アルトマン氏がソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)に投稿したのは、この一語だった。対話型人工知能(AI)「ChatGPT」を開発した米オープンAIが13日、GPT-4モデルをアップデートした「GPT-4o(フォーオー)」を発表した時、オンラインイベントのデモで披露されたのはアルトマン氏の投稿が示唆するように、映画『her/世界でひとつの彼女』の女優スカーレット・ヨハンソンを思わせる誘惑的な声だった。
GPT-4oで最も強く印象に残るのが、AIがスマートフォンのカメラを通して「見た」ことについて、ユーザーとリアルタイムで話せるようになったことだ。このスキルはグーグルが昨年12月のデモで主張したが実現できていなかったものだ。GPT-4oに関してさらに驚異的なのは、その声が人間そっくりなだけでなく、奇妙に誘惑的なことだ。
デモ動画では新バージョンのAIが「あら、こんにちは」と、少しふざけたような調子で若い男性に話しかける。「オープンAIのパーカーをかっこよく着ているのね。ナイスチョイス!」と続けた。
サンフランシスコ本社で行われたライブデモでは、代数の問題を手伝っている人にAIが突然「まあ、とてもおしゃれな服を着ているのね」と話しかけ、聴衆を驚かせた。このイベントに出席していたブルームバーグ・ニュースは、この声は「気を引こうとしている感じ」だったという。
別のデモ動画では、オープンAIの男性スタッフが面接に着ていく服のアドバイスを求めるという設定になっている。男性がふざけてアウトドア用の帽子をかぶってみせると、AIは甲高い声で笑って「やだ、ロッキー!それじゃ目立ちすぎ」と返した。
ほとんどが男性の同社エンジニアが完璧なガールフレンドを生成しようとしているのなら、正しい軌道を進んでいるようだ。しかし同社がより正確で信頼できるAIモデルを作ろうとしているのであれば、道のりは長い。GPT-4oはまだ主要なベンチマークでわずかに前進したに過ぎず(下図参照)、初期のテストでは主要なタスクでミスが続いている。