長年使ってきた針に感謝 ── 大阪の寺など各地で「針供養」
これまで使ってきた針を、感謝の気持ちを込めコンニャクに刺した=8日午後2時半ごろ、太平寺で THE PAGE大阪
長い間ありがとう──。長年使ってきた針をコンニャクなどに刺し、これまでの感謝をする「針供養」が8日、各地で行われた。大阪市天王寺区の「太平寺」でも多くの人が、針などを持ち寄り、感謝の気持ちをこめて手を合わせていた。
長年使ってきた針、感謝の気持ち込めて刺す
針供養は折れ曲がったり、また使い古された針をコンニャクや豆腐などに刺し供養。裁縫の上達を祈るもの。針はこれまで、布など様々なものを通し続けているとあって、柔らかいものにさし、これまでの感謝を祈るという。 同寺は「十三まいり」で知られるが、この日は針供養のほか、「筆」や「茶せん」の供養も合わせて行われ、多くの人がこれまで使ってきた針などを持ち寄った。 たくさんの針を持ってきた女性(87)は「くすだまにさしてあったが、使ってくれる方が亡くなって危ないんで、感謝の気持ちをこめて供養してもらいました」と言いながら、用意されたコンニャクに針を一つひとつ刺していた。
若い人にもお裁縫やってほし
また別の女性は「長いこと使ってきたから、ここで供養しようと思ってきた。いっぱいこれで服とかの布を通してきたわ。最近は裁縫する子も少ないかしれんけど、こういう伝統的な行事も知ってほしい。あと、物を大切にする心も、こういうのんみたらわかると思うんで、もっと知っといてくれたらうれしいね。あと、お裁縫もやったら楽しいと思うわ」などと笑顔で話していた。