退職を検討しているのですが、有給休暇支給日が近いです。支給され次第消化し、それから退職するのは問題ないでしょうか。
キャリア形成において転職は自然なことと認識されつつある昨今、労働力となる人材は非常に流動的になっています。転職理由はさまざまですが、キャリアアップや給与を含めた労働環境の改善が多くを占めています。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは? 転職に付き物なのは退職ですが、退職に際して有給休暇の扱いに悩む方は多いでしょう。有給休暇を効果的に利用するため、退職のタイミングを有給休暇の支給に合わせようと考える方も多いはずです。 その場合、有給休暇が支給されてから即消化して退職することになります。そこで本記事では、有給休暇の支給後に即消化して退職する場合について解説します。有給休暇の消化と合わせて、転職や退職のタイミングについて悩んでいる方は参考にしてください。
有給休暇について
有給休暇の正式名称は年次有給休暇ですが、一般的には年休や有休と呼ばれています。 厚生労働省によれば、「一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで、「有給」で休むことができる、すなわち取得しても賃金が減額されない休暇のこと」です。なお、労働基準法によって、会社は従業員に有給休暇を与えることを義務付けられています。 有給休暇は入社後6ヶ月間が経過しており、所定労働日の8割以上出勤している従業員に対して付与されます。付与される有給休暇の日数は勤続年数が長くなるごとに増えていき、6年6ヶ月を迎えると最大20日間が付与されます。 なお、初めての有給休暇で付与されるのは10日間です。有給休暇が与えられるのは正社員だけでなく、契約社員やアルバイトなど全ての従業員が対象となります。
有給休暇を即消化、退職はできる?
有給休暇は退職予定に関係なく勤続年数に応じた日数が付与されるうえ、有給休暇の取得日が退職日以前であれば、基本的に会社側は取得を拒むことはできません。つまり、付与された有給休暇を即座に消化し、退職することもできます。 とはいえ、状況によっては会社側や周囲の従業員からはよく思われない可能性はあるでしょう。とくに、人間関係は退職後も続く場合があるため、事前に有給休暇消化の旨を上司に相談しておくとよいでしょう。