ECBレーン氏、域内経済減速がディスインフレ圧力高める可能性
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は22日、ユーロ圏経済の成長減速が消費者物価の伸びをさらに鈍化させる可能性があるとの見解を示した。
レーン氏はワシントンのピーターソン国際経済研究所(PIIE)での講演で、「ユーロ圏のディスインフレは順調に推移している」とし、「ここ数カ月の間に成長見通しは明らかに悪化しており、これもディスインフレ圧力を高める可能性がある」と述べた。
ただ、「われわれはインフレ率が目標をアンダーシュートする可能性について留意しなければならないし、場合によっては懸念する必要もある」とレーン氏は指摘。しかし「少なくとも現時点では私はそれほど懸念していない。サービスインフレと賃金インフレは明らかに目標の2%近辺にあるからだ。インフレ率が目標をアンダーシュートするリスクはまだ検証されていない」と説明した。
ユーロ圏のインフレ率は既に2%を下回り、域内経済のリセッション(景気後退)入りが懸念される中、投資家はさらなる追加利下げを見込んでいる。先週の利下げ決定後、当局者は今後の行動についてコメントを控えているが、事情に詳しい複数の関係者によると、12月の次回会合で追加利下げが行われる可能性が高い。
レーン氏は利下げのペースと規模は「インフレ見通し、基調インフレのダイナミクス、金融政策の伝達力」に左右されるとのECBのスタンスをあらためて説明した。
同氏はまた、ソフトランディング(難着陸)は「ユーロ圏では実現可能だと思われる」と発言。ただ「鈍い成長が続く見込みだ」と述べた。
原題:ECB’s Rehn Says Weak Growth Could Increase Disinflation Pressure(抜粋)
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Mark Schroers