4晩続く夏の伝統行事「和合の念仏踊」 南信州の阿南町で始まる
下伊那郡阿南町和合で13日夜、約300年前から伝わる「和合の念仏踊(おどり)」(国重要無形民俗文化財)が始まった。先祖の霊を迎えて豊作を祈るお盆の伝統行事。住民たちが山あいに太鼓や笛の音を響かせ、力強く舞い踊った。 【写真】ユネスコ遺産登録後初の開催となった昨年の「和合の念仏踊」
熊野社境内で午後8時すぎ、かさをかぶった男たちが輪になり、ゆったりと厳かな雰囲気の中で踊り始めた。同9時すぎには、和合に念仏踊を伝えたとされる宮下家の住宅前に踊り手が集まり、激しく体をぶつけ合いながら舞った。
和合の念仏踊は2022年、「風流踊(ふりゅうおどり)」の一つとして国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。少子高齢化が進む山あいの集落だが、移住者が多数参加し、念仏踊を受け継いでいる。宮下家28代目の宮下金善さん(71)は代々伝わる裃(かみしも)を身に着けて踊り手を迎え、「若い人たちが一生懸命踊りを支えてくれ、地域もつながっている」と話した。
踊りは16日夜まで4晩続く。