“思春期の自分をハグしたくなる”大人が続出『インサイド・ヘッド2』監督&Pが語る「誰もが共感する理由」
マン監督「日本のアニメ大好き。17歳の息子から教えてもらって大好きになったのが…」
チーム全体が協力し合い決して妥協せずにリサーチとフィードバックを重ね「より多くの人に共感される作品を」目指し続ける。そんなディズニー&ピクサーの作り手から見て、日本のアニメ文化はどう見えているのだろう。 マン監督「僕は日本のアニメが大好きなんです。本当に素晴らしい作品が日本からどんどん生まれてますよね。僕は子供が2人いるんですけど、よく子どもたちからおすすめの日本のアニメを教えてもらってます。『呪術廻戦』や『ヴィンランド・サガ』は17歳の息子から教えてもらって大好きになりました。もちろんジブリ作品は毎作素晴らしいし。ピクサーとジブリは長年いい関係を築いてて、宮﨑駿さんがピクサーに来てくれたこともあります」 ニールセンP「宮﨑さんがうちのスタジオでQ&Aをやってくれたんです」 マン監督「僕も日本のアニメに大きな影響を受けています。アメリカでは基本的にアニメは子供向けと思われているけど、日本のアニメはときに複雑なテーマを扱い大人にも受け入れられている。それは、あらゆる人に楽しんでもらえるために、ピクサーも大事にしていることです。それは日本のアニメとピクサーの共通点でもあると思います」 ニールセンP「ピクサーでは皆が、ものすごく強い職業倫理を持っています。自分の周りにあるすべてのものを描こうとするような、つまりすごいハードワーカーなんです。だから私たちは、自分たちの作品や仕事を大切にし、関わるからにはベストなものにすべく心血を注ぐ人を求めていますし、アニメを志す日本の人たちには、そういう人が本当にたくさんいると思います」 本作では、日本の村山佳子氏がキャラクター・アート・ディレクターを務めており、日本から世界へ羽ばたくクリエイターの活躍に今後も期待がかかる。 マン監督「今回プロモーションの世界ツアーは、ここ日本が最後なんです。ツアーの最後を日本で迎えられるなんて最高です(笑)。これから休暇をもらえるんですけど僕は今回、家族全員で来ていて、これが終わったら素敵なアニメショップにいって、いろんなグッズを集めようと思っています(笑)」 今や、アニメ・アニメーションは世代や性別に限らず楽しむもの。だからこそ“思春期アラーム”が暴走する作品が、同世代はもちろん大人に刺さることもある。ネガティブな感情を抑えきれずに自分が嫌いになったころを思い出した大人たちは、当時の自分やいま思春期を迎えている10代をハグしてあげたくなるはず。「どんな感情も君にとって必要なもの。だから大丈夫だよ」と。 (TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)