能力劣っても「時間だけは全員平等」 “凡人”なのにオール5…野球と勉強両立のコツ
社会人野球でも時間を有効活用…現役中に簿記2級とITパスポート取得
中学生で身に付けた、時間を大切にする意識や習慣は、その後も生きた。中京大中京や法大でも、厳しい競争に勝ってきた要因は「時間の使い方」と「継続力」にあったと小林さんは分析している。東邦ガスに入ってからは野球を生活の中心に置きながら、簿記2級やITパスポートといった資格を取得した。 「アスリートだったので睡眠時間は確保していました。ただ、SNSを閲覧したり、何となくダラダラとテレビを見たりする時間はほとんどなかったです。そうした時間を休息と心から言い切れるのであれば良いですが、そうでないなら自分のためになる時間の使い方をしようというマインドでした」 何事も継続することが苦手な人にとっては、小林さんは別次元の人間に見えるかもしれない。なぜ、継続できるのか。心が折れたり、甘えが出たりしないのか。小林さんは、こう答える。 「継続できる理由は、自分が凡人であると自覚しているからです。積み上げ式でしか、自分より能力が高い人に勝てません。続けることがしんどいと感じた時は、野球で結果を残したいのか、寝たいのかを自分に問います。考え方をシンプルにするのが好きなんです」 小林さんは「努力しても負ける時はあります」と話す。だが、できるだけ負ける確率を下げる努力を続けてきた。天気や体調を言い訳にして野球の練習や勉強を一休みするのは簡単。その時に、「継続」を選び続けられた者には二兎を得るチャンスが広がる。 〇小林満平(こばやし・まんぺい)1996年、名古屋市生まれ。小学4年生で野球を始め、三好東郷ボーイズに所属した中学3年時に世界大会優勝。中京大中京で2年秋から主将を務め、3年夏は愛知大会に「3番・三塁」で出場しベスト4。法大では2年春と4年秋に外野手でベストナイン。大学日本代表にも選出された。東邦ガスで4年連続都市対抗野球大会に出場し、2022年に現役引退。ITコンサルティングマーケティング会社「Speee」を経て、現在は野球関連事業を展開する「Ring Match」で執行役員。
間淳 / Jun Aida