玉森裕太の度を超えたクズキャラにショック…それでも沼ってしまう魅力とは?『あのクズを殴ってやりたいんだ』第1話
「こんな子、初めて」 海里のモテセリフに悶絶
海里の決め台詞は、「こんな子、初めて」。よく、女性が男性に使うモテテクニックとして用いられる台詞だが、男性が言っていてもやっぱりキュンとする。海里のように、イケメンでモテてきてそうな男性に言われると、「そんなわけあるかーい!」と言い返したくもなるが、すべてを信じてしまいたくなるような魅力が海里にはあるのだ。 ただのポジティブバカではない。辛い経験をたくさんしてきたからこその優しさというか。言葉の深さというか。「この人になら、すべてをゆだねても大丈夫かもしれない」と思わせる魔力が、海里にはある。だからこそ、ほこ美もコロッと騙されてしまったのだろう。 本当にしんどいときに、「いいよ。泣いても」と言ってくれて、「ほっこーは頑張り屋だ」「俺が、ほっこーの月になるよ」なんて抱きしめてくれたら、ついつい信じてしまうはずだ。それを分かっていて、ほこ美に狙いを定めたのだとしたら、生粋の“クズ”すぎる。 まるで最終話のような感動的なキスシーンを観たときは、「もう、ほこ美が幸せならそれでいいよ。海里、もしもクズなのだとしたら改心してくれよ…」と思ったが、海里はちっとも改心するつもりがない。それどころか、「婚約者から(お金を)取り戻したぶん、俺に貢いでくれるかなって」と悪びれもなく言い出した。 えっ、婚約者から一緒にお金を取り戻してくれたのは、そのためだったの…と、観ているこちらまでかなりのショックを受けた。しかし、ほこ美は“火10”ヒロインだ。過酷な状況に置かれても、前を向く。「騙されたわたしが悪いの…」と自責の念に駆られることもない。「あのクズを殴ってやりたいんだ!」と、ボクシングジムに入会することになる。
普段の癒しキャラとは真逆? 玉森裕太が”クズキャラ”に豹変
『西園寺さんは家事をしない』の西園寺さん(松本若菜)、『くるり~誰が私と恋をした?~』のまこと(生見愛瑠)、『マイ・セカンド・アオハル』の佐弥子(広瀬アリス)などなど。“火10”のヒロインって、どんなにしんどいことがあっても、それをエネルギーに変えて生き抜いていく強さを持っている。だからこそ、この枠のドラマを観るとパワーをもらえるのかもしれない。 海里を演じている玉森は、2021年放送のドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)以来の“火10”凱旋となる。同作では、パブリックイメージとマッチしている子犬系男子・潤之介を演じていたが、『あのクズ』では対極に位置するキャラクターに。玉森といえば、ポワポワしている癒しキャラの印象が強いが、ここまでのクズになりきれてしまうのがすごい。 ドSキャラというわけではない。とはいえ、ただのクズなのか? と言われると、そうは言い切れない部分もある。海里というむずかしい役柄を、玉森はどのように演じていくのだろうか。近年、キックボクシングなどを趣味として習う人が増えていると聞くが、本作の放送を機にさらにブームが巻き起こるような気がしている。 【著者プロフィール:菜本かな】 メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
菜本かな