新NISAで買える投信(9)、最大下落率が10%程度で安定した収益が期待できる債券投信
今年1月にスタートした新NISAは、1人当たりの投資収益非課税枠が1800万円、非課税対象期間も無期限ということもあり、これを機に投資をスタートする人も少なくないと考えられる。「新NISAを使って何に投資すれば、最も効果的に運用ができるだろうか」と考え中の方も少なくないと考える。そこで、新NISAで購入できる主な投資信託の種類やその特徴について概観してみたい。ここでは投資信託協会や金融庁が発表している商品リストに基づいて紹介する。実際には、個々の金融機関によって取り扱いの有無が生じることにご留意いただきたい。投資で成功するコツは、投資を長く続けることだが、長く続けようと思っていても想定を超える下落を経験すると、そのダメージの大きさに投資を続けることができなくなってしまう場合がある。投資信託の下落率ができるだけ小さな商品を選びたいと思うのであれば、債券に投資する投資信託を候補としたい。債券に投資対象としても年10%程度のリターンをあげられるものもある。
「株式」に対して「債券」の下落率が抑えられるのは、債券は満期まで保有すれば元本で戻ってくるという特性があるためだ。もちろん、「パー」といわれる「額面金額(満期時に受け取る金額)」以上の価格で購入すれば、満期まで保有すると額面との超過分が下落することになってしまう。その場合は、クーポン(利率)との兼ね合いでトータルリターンがプラスになる、あるいは、より高い価格で市場で売却することができるという見通しがある場合は投資する価値があるということになる。償還までの期間は数カ月というものから、数十年というものまで様々な期間の債券があり、また、債券の種類も「国債」や「社債」、また、信用格付けが高い「投資適格債券」、信用力の劣る「ハイイールド債券」、そして、株式への転換条項がついた「転換社債」など、様々な種類がある。それら様々な債券を一つ一つ調べて良し悪しを判断するのは大変労力がかかるが、プロの目で分析し、同じ種類の債券でパッケージにしたり、様々に組み合わせてより良い組み合わせでパッケージにして商品化されているのが、債券投資信託だ。