原告「原発の問題も国は責任を取らない」 福島第一原発事故後に京都へ自主避難…国と東電に賠償請求 二審は国の責任を認めず東電にのみ賠償命じる判決
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福島の原発事故から自主的に京都へ避難した人たちへの賠償を、国と東京電力に問うた裁判。二審は一転、国の責任を認めませんでした。 2011年の福島第一原発事故を受け、福島県や茨城県などから京都府に避難した約170人は「避難費用などの損害が生じ、精神的苦痛も被った」として、国と東電に8億円あまりの賠償を求めて裁判を起こしていました。 原告のほとんどが避難指示区域外からの自主避難者です。一審の京都地裁は「国も大津波の襲来を予見可能で、東電に権限を行使すれば原発事故を避けられた」として国の賠償責任も認め、半数以上の原告に計1億1000万円の賠償を命じました。 判決を不服として国と東電は控訴。原告側も、賠償を認められなかった人がいることや、認められたものの賠償額が少ないなどとして控訴していました。 12月18日の判決で大阪高裁は一審判決を変更。「津波は予見しえた規模よりはるかに大きいものだった。国が規制権限を行使していれば事故が起きなかったという因果関係は認められない」として、国の賠償責任を否定。東電にのみ賠償を命じる判決を言い渡しました。 (原告の1人)「立地自治体でなくても、被害は被るんですよ。原発の問題も責任をずっとこの先も(国は)取らない。それを許していいんですかということを言い続けなければいけない」 原発事故をめぐっては、2022年、最高裁が国の賠償責任を認めない統一判断を示していて、18日の判決もその判断に沿ったものとなりました。
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