生命保険から損害保険まで…人生のリスクマネジメントに必要な〈保険の種類と役割〉を一気におさらい【FPが解説】
人生にはさまざまなリスクがあり、それを回避したり、軽減したりするために、数多くの保険があります。しかし、これらについて体系立てて整理・理解している方は多くありません。ここでは、FP資格も持つ公認会計士・税理士の岸田康雄氏が、保険の種類と役割について、わかりやすく解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
保険=「人生のリスクヘッジ」のひとつ
「リスクマネジメント」について学ぶことは、生命保険や損害保険に関わる知識を深めるうえで非常に重要です。 「リスク」とは、未来の予測不可能な出来事によって生じる損失の可能性を指し、私たちの生活には多種多様なリスクが存在しています。そのため、予測不可能な事故やその他のリスクに備えることが、リスクマネジメントとなります。これは、人生の計画を立てるうえでも欠かせない要素です。 「保険」は「リスクヘッジ」のひとつの方法として機能します。リスクヘッジとは、リスクを避けたり軽減したりすることで、とくに大きなリスクに対しては個人で対処することが難しいため、保険という形で多くの人がリスクを共有するのです。 保険制度には「公的保険」と「私的保険」があります。公的保険は国によって運営される強制的な制度で、最低限の保障を提供します。これに対して、私的保険は民間の保険会社が提供するもので、公的保険だけではカバーできない部分を補うために利用されます。 民間の保険には「生命保険」と「損害保険」があります。生命保険は人の生死に関わるリスクをカバーし、損害保険は物や責任など広い範囲のリスクをカバーします。これらの保険は、将来に起こりうるさまざまなリスクに備え、経済的な安心を提供します。
保険契約者は「保険業法」によって守られている
保険の販売、すなわち保険の募集にはルールがあり、保険契約を締結するためには、保険募集人、保険代理店、保険仲立人など、特定の資格を持つ人による媒介や代理が必要です。これらの人々は、保険契約者と保険会社の間で重要な役割を果たし、適切な保険商品の選択をサポートします。 保険業法は、保険契約者の保護を目的とし、保険募集人による不当な勧誘や誤解を招く行為を禁止しています。例えば、契約者にとって重要な情報を正確に伝える義務があり、不実告知を勧めたり、告知を妨害したりする行為などは厳しく禁じられています。また、消費者契約法では、消費者が不適切な勧誘によって契約した場合、その契約を取消す権利が認められています。 生命保険の基本的な機能や、保険料の計算方法、剰余金の配当に関する知識は、保険に関わるすべての人にとって重要です。生命保険は、被保険者が亡くなった際や特定の条件を満たしたときに、経済的な支援を提供する役割を担っています。