猫の像に手ぬぐいをかぶせる柿本住職＝富士市平垣の金正寺

　古くから猫の民話が伝わる富士市平垣の金正寺は27日、約60年ぶりに「ねこ祭り」を復活させる。復活を機にJR富士駅周辺の地元商店とのコラボ企画も実施。19代目柿本丈展住職（42）は「復活を望む声が多く届いていた。寺から地域を盛り上げていきたい」と猫の手を借りた町おこしに意欲を燃やす。 　「和尚さんの手ぬぐいをかぶった金正寺の猫が近所の空き地に仲間を集め、夜な夜な踊り明かして楽しんでいた」との逸話が寺と猫の縁。境内では、遊び心ある先々代住職が置いた猫の像が参拝者を出迎える。地域の猫がふらっと遊びに来ることも多いという。 　約60年前に寺で開かれていたという祭りに関する資料は一切残っていない。祭りがなぜ途絶えたのかも不明だ。2019年に就任した柿本住職も檀家（だんか）に聞いて祭りの存在を知り、地域住民に親しんでもらおうと「ねこ祭り」と名付けて復活を決めた。当日は新たに建立した動物供養塔の開眼法要を執り行うほか、竹灯籠のライトアップや地元保存会による和太鼓演奏を予定している。午前9時から午後7時まで。 　翌28日からは、民話から着想を得て富士健康印商店会が企画した街歩きイベント「ごちそう猫まんま」を開催。JR富士駅周辺の洋食店やカフェなど4店舗で、オリジナルメニューを数量限定で販売する。11月30日まで。