日米通算200勝達成! "野茂英雄級のパイオニア"ダルビッシュ有が切り拓いた道とは?
「日本人はフィジカルが弱い、という課題に向き合いました。ダルビッシュも最初は試行錯誤し、まずは目いっぱいに体重を増やしたり、筋トレをいろいろ試したりしていました」 現在、大谷翔平(ドジャース)を筆頭に、MLBでフィジカル負けしない選手が出てきたことは、ダルビッシュのトライ&エラーのおかげともいえる。 「一番重かった時期より、今は5、6㎏ほど痩せています。自分が実験台になることで、効率的に筋肉をつけるメソッドや、ちょうどいいバランスを見つけていきました」 書籍『ダルビッシュ有の変化球バイブル』(ベースボール・マガジン社)をはじめ、投球データなどの情報公開にも積極的だ。 「変化球の握りや投げ方を公開しましたが、『手の内を見せるなんて』と当時は批判されました。今ではオープンソースが当たり前の時代ですが、当時のダルビッシュは10年先を歩んでいたといえます」 そんな先駆者だからこそ、今も常に変化し続けている。 「ここ2年はスイーパーも増やしていましたが、変化量が大きいと打者も対応しやすいと実感したのか、私が昔から推すスラッターに原点回帰したのもいい傾向です。 いろいろ試すのはいいけど、最終的には本当にいいものを理解してやり込み、使いこなすことが大事。多くの選手に見習ってほしいです。 ただ、ポテンシャルを考えれば、まだまだできることはあるはず。契約は42歳まで続きますし、老け込まずに250勝を目指してほしいです」 *成績は現地5月27日時点 文/オグマナオト 写真/時事通信社