駆除ウニの養殖実験加速 富山県の氷見高と栽培漁業センター、2ヵ所で取り組み
富山県の氷見高校海洋科学科の3年生は4日、同校の艇庫内の水槽で、廃棄野菜を活用したウニの養殖実験を始めた。地元の薮田海岸で磯焼けの原因となるため駆除したウニで、養殖実験は県栽培漁業センター(氷見市姿)でも行っている。2カ所で実験を進めることで商品化に向けた取り組みを加速させる。 6月に富山中、横浜中の両ロータリークラブから冷却殺菌ろ過ユニットの寄贈を受けた。この寄贈により稼働準備が整ったことから4日、県栽培漁業センターで育てている約500匹のうち、約200匹を艇庫に運んだ。 ウニには餌としてコマツナまたはミニトマトを与えており、餌が異なるウニを籠やバスケットに分けて入れ、水槽に投入した。 冷却殺菌ろ過ユニットの導入によって水槽内の海水温度を一定に保ち、季節を問わずウニの身を増やすことができるという。岩崎凪一さんは「昨年の3年生は海水温が上昇したためウニが放卵し、試食できなかった。冷却機能があるユニットを使うことで放卵を防げると思う。学校近くにあり、いつでも駆けつけられる艇庫でしっかり育てたい」と話した。
今月末に1回目の養殖実験を終え、育てたウニは氷見高校と包括連携協定を結んでいる「一般社団法人とやまのめ」を通して、県内の飲食店に提供する予定という。9月から2回目の養殖に取り組む。