4.4mを超えても「ちゃんとミニ!」 新型カントリーマンへ試乗 らしい走りのゴーカート・モード
個性的で望ましいクロスオーバーの選択肢
ステアリングの反応は、ダイレクトでクイック。素早い旋回を軽々と披露する。印象としては、X1よりシャープでファン。それでいて、操縦系には適度な重み付けもあり、安定性も疎かになっていない。 JCWの場合、サスペンションが通常より引き締められ、乗り心地は硬め。我慢を強いるほどではないが。試乗車は20インチ・ホイールを履いていたが、段差の衝撃は充分になだめていた。 四輪駆動システムは、トラクションのバランスを高めながら、カーブでの落ち着きに貢献。タイヤサイズは2代目からワイドになり、グリップも充分以上といえた。 BMW譲りの4気筒ターボガソリンは、パワフルでレスポンシブ。0-100km/h加速5.6秒を疑わない勢いがあり、トルクも太く粘り強い。質感もプレミアムだ。 車内で聞こえるエンジン音には、レーシングカーへ影響を受けたという、人工音が重ねられる。JCWを名乗るホットハッチ的な気分を高める、と感じる人もいるだろう。 とはいえ、ドライバーズカーと呼べるわけではない。楽しさがプラスされるJCWであっても、カントリーマンは実用的なファミリー・クロスオーバーだといえる。 しかし、ミニらしいプレミアム感や若々しい雰囲気は大きな魅力。実用性も悪くなく、サイズは合理的なもの。ライバルモデルへ埋もれない、個性的で望ましい選択肢が誕生したといえる。ミニと呼べる大きさではないが、確かにミニだと感じた。
ミニ・カントリーマン・ジョン・クーパー・ワークス オール4スポーツ(欧州仕様)のスペック
英国価格:4万425ポンド(約752万円) 全長:4433mm 全幅:1843mm 全高:1656mm 最高速度:249km/h 0-100km/h加速:5.6秒 燃費:12.0-12.8km/L CO2排出量:177-188g/km 車両重量:1660kg パワートレイン:直列4気筒1984cc ターボチャージャー 使用燃料:ガソリン 最高出力:300ps 最大トルク:40.7kg-m ギアボックス:7速オートマティック(四輪駆動)
ジェームス・アトウッド(執筆) 中嶋健治(翻訳)