ディオールのハイジュエリー、夢幻のフローラルモチーフと際立つ「仕立ての美」
贅を極めたジュエリー最前線(5)Dior
緑なす庭園から想を得た新作「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」はフローラルパターンのドレスを想起させるフェミニンな仕上がり。豊かな自然とクチュールの手仕事を高らかに賛美するコレクションだ。心地よく手入れされた美しい庭園を、クリスチャン・ディオールは深く愛し、情熱を注いだ。花咲き乱れるムッシュ ディオールの庭園を、繰り返しハイジュエリーのテーマとして取り上げてきたのは、ディオール ファイン ジュエリーのクリエイティブ ディレクター、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌだ。 【写真はこちら】ダイヤモンド、オパール、サファイア…ディオールの「仕立て」をチェック!
彼女が手がけた「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」コレクションは、モチーフは確かにフローラルだが、花々のインスピレーションがそのまま直截的に用いられることはない。かぐわしいブーケや青々とした葉が、どこか抽象的なモチーフとなってディテールに織り込まれている。 発表に際し、イタリアのコモ湖畔で行われたプレゼンテーションでは、花々を刺繍したドレスをまとったモデルたちがこれらを着用した。ハイジュエリーをドレスにあわせたとき、鮮やかに際立ってきたのは、ヴィクトワールが好んで取り上げるもうひとつのテーマ──クチュールだ。手仕事を重んじるクチュールの精神で、繊細に仕立てられた極上の宝石。それこそがディオールのハイジュエリーに特別な価値を添えている。
■表参道に出現するホリデー気分のポップアップ
OMOTESANDO CROSSING PARKで、クリスマスムード満点のイベント「ディオール ホリデー ポップアップ」を開催。バタフライや星座をモチーフにしたバッグやドレスが並ぶ他、新作ファインジュエリーもお目見え。期間は11月18日から12月25日まで。 (問)クリスチャン ディオール Tel. 0120-02-1947 取材・文/本間恵子 編集協力/オフィス インターフェイス デザイン/高井真由美 [THE NIKKEI MAGAZINE LUXE 2023年11月3日号の記事を再構成]