勉強に遅れがある子が「2年でトップを狙う」ための自宅学習
陰山英男さんは、正しい方法で自宅学習をすれば、学校や塾に頼らずとも成績を上げることが出来ると語ります。本稿では「勉強が進みやすい子・遅れている子」それぞれに合った自宅学習の進め方について紹介します。 【データ】成績上位5%の親に聞いた「子どもの学習場所」は? ※本稿は、陰山英男著「陰山流 新・おうち学習戦略」(Gakken)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
1年分の勉強内容を2か月で終わらせる
【基本の年間計画の立て方】 ・忘れることを前提にする おうち学習計画の基本はスピードです。「ゆっくり、ていねいに」は一見よいことのようですが、実はダラダラを増長させるだけ。さっとできることが目標です。 1年分の勉強内容を2か月~3か月程度で終わらせるように計画を組むのが、おうち学習計画の基本です。さらに、それを3回以上繰り返します。これは「忘れることを前提」にした勉強法です。 当たり前ですが、子どもも大人も時間と共に記憶は薄れていきます。大人でも、今新たに覚えたことを復習しないまま半年後、1年後にテストしたら、点数は下がりますね。「人間は、忘れるのが当たり前」を前提にして、3回は同じ範囲を繰り返します。そうすることで、暗記が定着し、理解も深くなっていきます。 また、学んだことは瞬時に頭の中から取り出せるようにしておくのが理想です。たとえば三角形の面積の公式を問われて、すぐに答えられないと、中学校では完全に暗記しているものとして授業が進むため、ついていけなくなります。 ・2学期終了までに超強力な基礎を身につける まずは年間計画の基本パターンを紹介しましょう。1年分の学習を3か月で終え、それを3回繰り返す。スタートは春休みです。すると、1回目の追い越し学習が5月末~6月中頃に終わりますので、すぐに2回目、3回目と繰り返すと、だいたい年内には3回目が終わるはずです。 2か月で1年分が終わるペースだと、ゴールデンウィーク前後に1回目、夏休みまでに2回目、夏から秋にかけて3回目になります。繰り返しは時間が短縮される可能性が高いので、1回目は3か月、2回目は2か月、3回目は1か月半ぐらいのペースで進むこともあります。この場合、3回目を終えるのが9月末あたりです。この3回は、同じドリルを使ってかまいません。 1回目:基礎を固める。ひととおりドリルが終わることが目標 2回目:基礎を盤石にする。問題の正答率ほぼ100%が目標 3回目:超強力な基礎にする。問題の正答率100%が目標 3回目には問題を覚えてしまっていて読まずに答えを書く子もいますが、それくらいまで仕上がるのが理想です。ちなみにドリルをコピーして使う人もいるかもしれませんが、同じドリルを3冊買うことをおすすめします。成長記録として残せることと、コピーより結果的にコストがかからないことが多いためです。