【バレー】ニコラ・グルビッチ連載④ポーランド代表監督として臨むパリオリンピックへの意気込みと日本への賛辞「彼らはメダルを獲れる」
金メダルという結果が自身にもたらしたものとは
今夏のパリオリンピックで金メダル候補筆頭と評される男子ポーランド代表。2022年から始まったオリンピックサイクルでチームを指揮するのは、バレーボール界における名プレーヤーの一人、ニコラ・グルビッチその人だ。自身も2000年のシドニーオリンピックでは母国のユーゴスラビア(当時)に初の金メダルをもたらした功績を持つ。その人物像そして代表監督としての思いに迫る【最終回】 【動画】VNL2024ポーランドvs.アメリカハイライト動画 選手そしてコーチとしても数えきれないほどの勝利と勲章を手にしてきたグルビッチ監督。やはり色褪せないのは2000年シドニーオリンピックでの優勝だろう。母国が騒乱の最中、当時の男子ユーゴスラビア代表が栄冠に輝き、そのキャプテンとして金メダルを首にかけた。 「間違いなく、『自分がグッドプレーヤー、いい選手である』という意識を私にもたらしました。結果というものは、自分がこれまで進んできた道が正しかったことを確信させ、自信を与えてくれます。 オリンピックで金メダルを手にしましたが、それ以降はかなわなかった。いいプレーをすれば大会の準決勝や決勝に必ず進めるものですが、それでも優勝には届かない。ましてやオリンピックという舞台で優勝するためには、特別な理由が必要なわけです。私の場合は実際に優勝を経験したことで、自分の実力を確認できましたし、やはりバレーボール選手として『これが最高の結果なのだ』と実感しました」 男子ポーランド代表のセッター、グジェゴシュ・ウォマチが語ったようにグルビッチ監督は“自信にあふれた人間”だ。監督として臨む初めてのオリンピックがまもなくやってくる。そこに向けて抱いているのはプレッシャーか、それとも自信か。 「私は“いつも”自信を持っています。なぜなら、我々は素晴らしいチームだからです。オリンピックでは選手たちが万全の状態で望んでくれることを願っています。ご存知のとおり、ポーランド代表はヨーロッパ選手権、ネーションズリーグを制覇し、FIVBランキング1位という今の位置にいます。100%を出せば、メダルを手にすることはできるでしょう。 とはいえ、自分たちがベストを尽くしても、その日の相手がそれ以上に素晴らしかったり、それを攻略するのが難しい場面は何度もやってきます。また、審判のジャッジやボールのインアウトなど自分たちがコントロールできないものがあります。だからこそ、可能な限り最善の準備をして、いざというときにタフな状態で試合に臨めるようにしたいです。もちろん、プレッシャーもありますよ(笑)」
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