千葉ジェッツの新たな起爆剤に。金近廉がグリーソン新HCから伝えられたこと「シュートを打たないのであれば試合に出る意味がない」
「波をなくしていかないとコーチも使いづらい」
渡邊が言及したように、今シーズンの金近はトレヴァー・グリーソン新ヘッドコーチから、長距離砲を積極的に打つことを何よりも求められている。金近は指揮官とのやりとりを明かす。 「ヘッドコーチからは『シュートが1番の役割だし、シュートを打たないのであれば試合に出る意味がない』と言ってもらっています。より自分の役割を明確に示してくれたので、 割り切って、しっかり集中してプレーできています」 金近はさらに続ける。「自分の役割を毎試合、変わらず続けること。スタッツに残らない部分のディフェンス、ルーズボールなどでどれだけハッスルできるかもヘッドコーチはすごく評価してくれています。泥臭くプレーしていくことをベースにして、3ポイントシュートなど得意なことを表現できればと思っています」 東海大2年時の2023年2月、金近はワールドカップ2023アジア予選で日本代表デビューを果たすと、同年4月には東海大を退学し練習生として千葉Jに加入。プロデビューを果たした昨シーズンのレギュラーシーズンは、57試合出場で平均16分17秒出場、6.2得点、1.6リバウンド、3ポイントシュート成功率34.8%を記録したが、チャンピオンシップ(CS)では6試合で平均7分30秒出場、1.8得点と出番を大きく減らすなど、主力の一員になりきれなかった。 この悔しさを晴らすため、金近は安定感の向上を至上命題に掲げて2年目のシーズンに臨む。「昨シーズンは全体的には成長できたと思いますが、良い時、悪い時の違いがはっきり出てしまいました。長いシーズンを戦っていく中、できるだけ波をなくしていかないとコーチも使いづらいと思います。そこを昨シーズンの課題として改善したいです」 また、現在の体重は98kgと、昨シーズンの登録体重より10kg増とたくましさを増した身体を生かし、「原(修太)さんのように、スイッチで相手のビッグマンについた時、ヘルプに頼らずに1対1で守れるようになりたいと考えています」と、ガードからビッグマンまでディフェンスで対応できることを目指す。 昨シーズンからの主力が健在かつ、渡邊の加入によって千葉JはBリーグ1のタレント集団となった。だが、60試合と長丁場のレギュラーシーズンを、ベストメンバーで戦い抜けることは稀だ。昨シーズン逃したCSホーム開催を勝ち取るには、ベンチメンバーの底上げが欠かせない。その中でも金近のステップアップこそが一番のカギとなってくる。
鈴木栄一