物語とキャストのバランスが最高だった…最も圧倒されたMVPキャストとは? ドラマ『潜入兄妹』最終話考察レビュー
平成日テレ土ドラを感じる『潜入兄妹』
ラストには、登場人物の“その後”が描かれた。 入間の上司だった吉野さやか(長尾純子)は、刑事部長の狩野正臣(神尾佑)に、逮捕した入間ではなく、泰造を九頭龍として起訴したと報告する。また、狩野の手引きで、鳳凰と入間を同じ拘置所に移したという。 あとは鳳凰が勝手に手を下すだろう…。これで警察的にも丸く収まった。そんな話をしていると、2人は撃ち殺されてしまう。 その頃、拘置所では入間の前に鳳凰が姿を現した。鳳凰は隣にいた刑務官から警棒を受け取り、入間に襲いかかるーー。刑事2人を始末し、復讐相手だった入間にも制裁を加えた鳳凰。刑務官もグルだったところを見ると、すべては彼の策略だったのか? 鋭い目をした鳳凰はニヤリと笑う。 一方、兄妹は父親の墓参りをしていた。すると、四方をスーツの男たちに囲まれる。そして「公安の者です。あなたたち兄妹に潜入してもらいたい組織があります」との依頼が。貴一は「最悪だ」とつぶやき、終幕した。 『潜入兄妹』は物語の展開と俳優たちとのバランスが最高のドラマだった。竜星の圧倒的な華は主人公として必要不可欠なものだったし、兄妹の敵として君臨した藤ヶ谷の画面越しでも伝わる「内に秘める炎」には圧倒された。 「引き込まれる」とはこのことだと感じた鳳凰だった。その他のキャストも「この役はこの人でないと!」というものばかりで、大満足だった。 平成初期~中期の日テレ土曜ドラマの雰囲気漂う世界観で、最後まで“らしさ”を持って駆け抜けた本作。『潜入兄妹』は、最高のエンターテインメントドラマだった。 もし、続編があるとしたら兄妹と鳳凰が手を組むのか、また敵対するのか……。とにかく、熱い展開を期待してしまう。このドラマのおかげでじつに楽しい3か月間だった。 【著者プロフィール:浜瀬将樹】 1984年生まれ。フリーランスの編集・ライター。映画、ドラマ、バラエティー番組の会見取材、俳優さんや芸人さんなどのインタビュー、ドラマや俳優さんのコラム、お笑いのライブレポートなど、エンタメ系を中心に執筆している。
浜瀬将樹