仁村紗和、愛犬散歩中にブレイク実感 理想の女優像は「おもろくていい人」…夢は“ひらパー姉さん”
女優の仁村紗和(30)が、キャリア10年の節目を迎え、めざましい活躍を見せている。現在は、日本テレビ系連続ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(日曜・後10時半)に4姉妹の長女役で出演。関西出身で、持ち前のバイタリティーあふれる女優魂を武器に躍進中だ。今後かなえたい夢や、「芝居には人間が出ると思う。人としておもろくて、いい人でありたい」と理想を語った。(奥津 友希乃) 【写真】韓国で受賞した新人賞のトロフィーを手に笑顔の仁村紗和 りりしい顔立ちの太眉美人は「よろしくお願いします~!」と関西弁のイントネーションであいさつ。クールなイメージを持たれることも多いというが、対面するとフレンドリーなギャップに驚かされる。「ハーフ?とよく聞かれるけど、思いっきり大阪出身。関西弁で話すとびっくりされるし、『しゃべらんかったらええのにな~』ってよく言われちゃう」と笑みを浮かべる。 昨年から今年にかけて出演したドラマや映画は15本以上。コメディーからシリアスまで幅広い表現力で多方面から引っ張りだこだ。 「ここ2年は特に、名前と顔を覚えていただけていると実感する機会も多くてうれしいです。この前も犬の散歩をパジャマ姿でしていた時に『仁村さん~、今(ドラマの)オンエアみてます!』って声かけていただいて。『うわあ、めっちゃ家の近所やし、パジャマやし、ちゃんとせな…』と思いました(笑い)」 デビューは、ライブ鑑賞のため東京を訪れた際にあった“スカウトの嵐”がきっかけ。当時、高校3年ながら唯一無二の雰囲気を醸し出すルックスに人だかりができ、「20社以上の芸能事務所から名刺をいただいた。うそみたいだけど本当の話なんです。こんな道もあるんやなって」と謙遜しながら回想。中でも「両親に手紙をくれた」ことを決め手に、大手芸能事務所サンミュージックに所属した。 所属当時は、中学1年から6年間ダンスを習っていたこともあり「踊りの表現を生かしつつ、お仕事できたらと思っていた」。デビュー直後から1年半で10社以上のCMに起用され、「短い時間でお芝居することが多くて、次第にもっともっとと欲が出ていきました」と女優の道へ進んだ。 数度の落選を経験しながらも挑み続けたNHK朝ドラオーディションを経て、「おちょやん」(20年)に出演。ヒロイン(杉咲花)が奉公する芝居茶屋の先輩お茶子を好演した。大河ドラマ「青天を衝け」(21年)では主人公(吉沢亮)の子を身ごもる女中役で注目を集めた。話題作で役を射止める最大の武器は楽観的な性格と自然体だ。 「(性格は)完全に大阪のソウル。『悔しい!』って思いをバネに、『次はやったる!』みたいな。それに取り繕うことが苦手で、あるオーディションで『作り込まれてなくて、すごくいいです』と言われたことがあって。ありのままの自分も大事に、役に向かうようにしています」 「百聞は一見にしかず」が信条。22年の主演ドラマ「あなたのブツが、ここに」(NHK)では、キャバ嬢から宅配ドライバーに転身したシングルマザー役のため、わずか17日で運転免許を取得。「死に物狂いで教習所に通いました。何でも体験したいタチで、所作やモチベーションを知りたくて、1人でキャバクラに行って接客していただきました」と探究心は尽きない。 この数年の躍進には、23年フジ系ドラマ「わたしのお嫁くん」で見せたコメディエンヌとしての魅力も大きい。高杉真宙(28)演じる社員の同期で強烈キャラの赤嶺役で出演。時に鼻の穴を大きく広げる顔芸もいとわず熱演し「赤嶺劇場、面白すぎる」などと放送直後から反響を呼んだ。 「ミステリアスな第一印象からか、闇を抱える役を任されることが多くて。『―お嫁くん』では現場のみんなを笑かしたい一心でした。コメディーのお芝居に思い切り挑戦できて、世間の印象を変えられたこともうれしい機会でした」 今年10月には、韓国・釜山で「アジアコンテンツアワード&グローバルOTTアワード2024」最優秀新人賞を受賞。テレビ東京系の主演ドラマ「SHUT UP」(23年12月~24年1月)での演技が評価された。アジアのスターと並んでの受賞に「自分の名前が呼ばれると思わず、頭が真っ白になった」と回想。それでも、学生時代から習得していた韓国語でのスピーチを、ほぼアドリブで披露した。 「賞をいただくことも、海外のアワードに参加することも初めてで。20代、頑張ってきてよかったなと心から思いました。『SHUT UP』は女子大生の貧困を描いた作品でしたけど、国を超えて共感されたことがうれしかったです」 理想の女優像は、映画「アデル、ブルーは熱い色」を観賞しファンになったという仏女優レア・セドゥ(39)。「彼女のような唯一無二の存在感を放つ女優になれるよう、自分の色を模索したい。芝居には人間性が出ると思うので人としておもろくて、いい人でありたい」と誓う。取材終了間際、はっとした表情を浮かべ「大事なこと忘れてた!(大阪府枚方市の遊園地の広告キャラクター)ひらパー姉さんになるのも大きな目標です。地元の思い出の場所なので、かなえられたら最高です」とローカルな野望も掲げた。 ◆仁村 紗和(にむら・さわ)1994年10月13日、大阪・枚方市出身。30歳。2013年に芸能界入り。翌年CMでデビュー。14年、NHK Eテレ「ロンリのちから」内のドラマで女優デビュー。16年「無伴奏」で映画初出演。23年テレ東系「SHUT UP」で民放連続ドラマ初主演。主な出演作はフジ系「真夏のシンデレラ」など。身長164センチ。趣味はダンスと料理。
報知新聞社