「サイコパス」が活躍しやすい意外な3つの職業
最近、首都圏で若者による強盗事件が多発しています。犯罪を犯しやすい性格はあるのでしょうか?また、少年犯罪は昔より凶悪化しているのでしょうか?法政大学文学部心理学科の越智啓太教授の『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』(日本文芸社刊)より紹介します。 【この記事の画像を見る】 ● 犯罪を犯しやすい性格はある!? 犯罪を心理学的に考えていくと、そこには、犯罪を犯しやすい性格特性というものが見えてきます。ここでは、その中のいくつかを解説していきましょう。 まず挙げられるのは「敵意帰属バイアス」です。これは、外から何か刺激があった場合にそれを自分に対する挑発や攻撃と捉えやすい認知的傾向です。 次が「敵意的反芻傾向」です。一般的に、喚起された怒りは、時間とともに収まっていきます。しかし、このタイプの人は怒りが湧いた状況を何度も繰り返して考えてしまうことによって、その怒りを持続させてしまうのです。 3つ目に挙げられるのは「セルフコントロールの欠如」です。言葉の通り、自分自身の欲望や感情を抑えることができず、場当たり的な満足を求めてしまう傾向です。
最後に「生涯持続型反社会性」です。青年期のみに非行に走る人は多くいますが、このタイプの人は、一生涯にわたって犯罪を繰り返すのです。このような人には原因となる遺伝子と、その影響によって生じた何らかの神経学的な異常があるのではないかと考えられています。 さらに、自分を愛し特別だと思う「自己愛傾向(ナルシシズム傾向)」の人も、攻撃性が強くなるとされています。 ● 「サイコパス」は犯罪者になりやすい? 近年よく聞かれる言葉に、「サイコパス」があります。サイコパス傾向も、犯罪を犯しやすいとされる性格特性のひとつです。 サイコパス傾向は、極度の自己中心性と衝動性を持った人格障害の一種です。ただし、精神病的な症状は見られません。特徴としては、無責任、浅はかな感情、共感性の欠如、罪悪感の欠如、不正直で不誠実などが挙げられます。 彼らが犯罪を犯してしまう背景には、他人のことを顧みることなく自分の欲求を実現しようとする、自分勝手な考え方があります。また、非情で他人を自分の道具のように扱うという特徴も見られます。 一般的には非道徳的な性格ですが、自信を持った行動や饒舌な態度から、表面的には魅力的に見えることもあります。