【速報】「紀州のドン・ファン」元妻 別の男性からおよそ2980万円だまし取った罪に問われた裁判で懲役3年6か月の実刑判決 被告「うそとわかっていたはず」と主張も 和歌山地裁「被害者はだまされて金を払った」と認定
■被害者「夢を応援してあげるよ」と伝え…1500万円振り込んだ 細かいやりとりも語る
これまでの裁判の経緯は以下のようなものです。 裁判で行われた証人尋問で、被害者の男性は次のように話していました。 ・須藤被告とはキャバクラのホステスと客として知り合い、美容学校の学費のために働いていると聞いた。 ・須藤被告は「親が病院関係で、美容師になりたい夢に反対していて、学費を出してくれない」と話していた。 ・18歳と知って、未成年がキャバクラで働いていてはいけないと思い、「キャバクラを辞めなさい」と言った。 ・「学費を出してやる」と言って月15万円支払うようになった。 ・その後「美容学校で使う機器を壊したので、弁償に300万円かかる。親は出してくれない。頼れるのは〇〇ちゃん(被害者の呼び名)だけ」と言われて、振り込んだ。 ・さらに「美容関係のコンクールで知り合った美容室経営の社長から海外留学の話が出たので、留学したいがその費用の1500万円を親が出してくれない」と被告から言われた。 ・「最初は考えさせてくれ」と言った。その後、締め切りが迫っていると連絡があって、「夢を応援してあげるよ」と返信し、投資信託を解約して金を用意して振り込んだ。 ・2018年になって、刑事が来て、留学に行かなかったということなどを初めて知った。 ・嘘とわかっていたら払っていない。 ・性的な接触について検察側から質問され、キスを頬にしたこと、服の上から胸を触ったことがそれぞれ1回あったと話す。 ・「金を出すから性的なことをさせて欲しかったのか?」と聞かれ、「違います」と否定。
■須藤被告「金額は突っ込みどころ満載」「未成年とわかって体を求めてきた『性犯罪者』」と主張
一方、須藤被告は被告人質問で、被害者の男性から性的な行為を何度も受けたなどと語っていました。 ・キャバクラをやめろと言ってきたので、愛人のような感じになった。 ・月々手当として金を受け取り、カラオケに行って、性的な行為をする関係。 ・お小遣いとして、美容学校の学費用に15万円は定期的にもらい、1回会うごとに10万円ぐらいもらい、あわせて毎月50万円ぐらいになっていた。 ・こうした関係は13カ月ぐらい続き、650万円以上は受け取った。 ・会うたびに体を触られ、徐々に下半身や性器を触られるようになっていった。 ・こうした性的行為については、10万円もらっているので抵抗しなかった。エスカレートしてきたときに、抵抗したことはあった。 ・「15万円」と男性に伝え、もらっていた学費は、実際には5~6万円で、キャバクラのほかの客から「15万円もかかるわけがない」と言われていた。被害者の男性も金額について信じていなかったと思う。 ・美容学校の機械の弁償費用として受け取った300万円は、美容学校の機械を壊した話はした記憶はない。 ・私がついたうそは実際あったことを「盛った」ものだが、300万円を受け取ったのは春休みで、機械を壊しようがなく、私がつくタイプのうそではない。 ・留学費用については、1500万円という「金額が突っ込みどころ満載で、(うそと)分かるでしょ?分かっていて遊んで、話を合わせてくれているんだろう」と思っていた。金額は信じていなかったと思う。 そのうえで、「これだけのお金を受け取ったのは事実で、嘘をついたことも反省しています。被害者の言い分では、私が一方的にお金をふっかけてだまし取ったようになっていますが、『オレオレ詐欺』みたいに善良な市民をだましたのとは違って、私が未成年と分かって体を求めてきた。私が詐欺師なら、被害者は性犯罪者だと思っています」と主張していました。 一方、検察側は論告求刑で次のように指摘しました。 ・被害者は、いずれも指定されたどおりの金額を振り込んでいて、仮に被害者がうそとわかった上で、須藤被告の身体(性的行為)目当てに金を払うのであれば、10円単位まで指定通りに払う必要はない。 ・3つの起訴内容すべてで具体的な説明(うその)をしていて、だまそうとしたものとしか考えられない。 ※留学費用では、『7月中に振り込まなければ留学の話がなくなってしまう』などと説明。 ・被害金額が大きく、信じていた人に裏切られる男性の精神的負担も重大で様々なうそでだました巧妙な犯行。 そのうえで、懲役4年6カ月を求刑していました。
■「紀州のドン・ファン」と呼ばれた元夫・野崎さん殺害事件は9月12日から
須藤被告は2018年5月に当時の夫で、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の野崎幸助さん(当時77歳)を、なんらかの方法で覚醒剤を飲ませて殺害した、殺人と覚醒剤取締法違反の罪でも起訴されています。 この事件の裁判員裁判は、10日後の9月12日から始まります。 検察側は、直接証拠がない中で、「野﨑さんが死亡する直前に自宅で2人きりだったことや、田辺市内で、須藤被告が密売人と接触したとみられること」など、状況証拠を積み重ね、有罪が立証できるとして起訴しました。 須藤被告は逮捕段階で、殺害を否認して以降、関与を供述していないということで、初公判でどういった主張をするのか注目されます。
関西テレビ
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