原氏と比べて“我慢ができない”阿部監督。印象的だった「丸の送りバント」
3月29日に開幕して以降、セ・リーグは順位変動が激しく、まさに混沌としている状況だ。なかでも、注目されているのが巨人である。昨年は、永遠のライバル阪神に対し、6勝18敗と大きく負け越し。期せずしてリーグ優勝をアシストする形になってしまった。背水の陣となる今シーズンの巨人は、監督が原辰徳氏から阿部慎之助氏に交代。新監督の采配やマネジメント、さらには試合後のコメントに至るまで一挙手一投足が議論の的になっている。 本記事では、これまでプロ野球から高校野球まで野球関係の記事や書籍を幅広く執筆している野球著作家のゴジキが、「阿部巨人」について考えてみたい。
打率1位も疑問符が付く采配が
開幕から2週間ほどが経過し、各チームのメンバーが固定されつつある。巨人はチーム打率と防御率がリーグ1位(4月11日時点)だが、戦いぶりをトータルで見るといまだに苦しんでいるように見える。 その大きな要因は、野手陣の起用を中心とした采配面。新監督の阿部氏が頭を悩ませていることが伺える。印象的だったのは、4月5日DeNA戦の采配だ。1点ビハインドの場面で、先頭打者の門脇誠がヒットで出塁。次の丸佳浩に出したサインは、送りバントだった。衰えを感じるとはいえ、高い打力を誇る丸に“打たせない采配”は、ナンセンスだと感じた。 これ以外でも選手起用について「我慢」ができない部分がいくつか垣間見えた。具体的には、開幕スタメンを勝ち取ったルーキーの佐々木俊輔は4試合目でベンチスタートに。その後、センターを守っていた浅野翔吾も、9試合目で2軍に落ちる憂き目となる。要するに新人を含む若手選手に対して我慢が全く感じられない。 さらに、昨シーズン二桁本塁打を記録した3年目の秋広優人に対しては、キャンプの時点で必要以上に強いコメントを浴びせ、挙げ句の果てに開幕は2軍スタートだった。期待を込めて発破を掛けるのではなく、ただただ厳しく接してしているだけのように感じる。