「がんばろう北陸」思いつなぐ おやべリレーラン、被災ランナー躍動 地元企業、コロナ禍越え連続出場
「がんばろう北陸」。8日のおやべリレーラン(同実行委員会主催、富山新聞社、北國新聞社共催)は、能登半島地震で被災したランナーも躍動した。石川県境に接する小矢部市で5年ぶりに開かれたリレーランは地震発生の年と重なり、参加者は走る喜びや復興への希望といったさまざまな思いを走りに込めた。 【写真】そろいのTシャツで意気込む「サンダーボルトG」=8日、小矢部市のクロスランドおやべ 5年ぶりに開かれたリレーランでは、コロナ禍による「空白」を乗り越え、初回から出場を続ける企業が見られ、再開を喜び合うとともに結束を深めてコースを駆け抜けた。 ●110周年の節目祝う 石動信金 初回は2014年9月、「おやべ4時間リレーラン」と題して開かれた。今年で創立110周年を迎える石動信用金庫は初回の出場時は100周年の節目で、職員は良い巡り合わせを感じ取った。18~58歳の20人で出場し、森真金沢支店長(51)は「たすきをつなぐことで職員の絆を強くし、団結を深める契機になっている」と語る。会場には全職員が応援に駆けつけた。 ●肩組んで再開喜ぶ 小矢部精機 「ここ数年は社員同士で交流を深める機会が減っており、再開は楽しみだった」と、小矢部精機で技術開発部に所属する高長昌志さん(40)は力を込めた。今回は20人で出場し、肩を組んでゴールに駆け込んだ。経営企画室の田邉朱美さん(46)は「社名に『小矢部』が入った企業として、出場を続けることで地域貢献にもつながっている」と話した。 ランニング教室「颯(はやて)塾」(富山市)に所属する介護士、神谷晴津子さん(56)=氷見市園=は地震で自宅が「準半壊」と判定された。リレーランには仲間の22人で参加。被災した神谷さんのため、メンバーは寄付を募って助けてくれた。神谷さんは「絆が一層深まり、チームに助けられた」と強調した。 「元日の地震を風化させたくなかった。能登に勇気を届けたい」。内灘町消防本部の消防士5人でつくる「サンダーボルトG」は「がんばろう能登」「がんばろう内灘」と記されたTシャツを着て走った。西荒屋など町北部では液状化で傾いた建物も見られ、メンバーは復興へ意気込みを新たにした。