《上着のポケットに帯封のついた札束が…》高倉健さん没後10年、遺骨がようやく故郷の福岡県中間市へ 地元の追悼イベントで明かされた“男気あふれるエピソード”
納骨式も年内に
親族と関係者で営まれた法要の後には、地元の婦人会主催の追悼イベントも開催。木村監督ら、生前の健さんと交流のあった人たちはトークショーにも登壇した。 「地元の有志らが、東宝など映画会社のサポートのもと、イベントの企画立案や高倉プロと権利関係のない作品の選定など、約1年前から準備を進めてきました。チケットは即完売で、人口4万人弱の中間市で1000人近くを動員したのです」(中間市の地元関係者) イベントは大盛況で、木村監督からは、健さんとの男気あふれるエピソードが明かされた。 「この日、靴からズボン、ジャケットに至るまですべて健さんからプレゼントされた品物を身につけた木村さんは、まずは、大晦日に健さんから呼び出され、3時間以上もファミレスでコーヒーを飲んだ思い出話を披露。 さらに、しばらく映画の仕事がなかった時代に、周囲から木村さんの苦境を耳にした健さんから『男には冬の時代がある』と書かれた手紙をもらったこと。その後、健さんからプレゼントされた上着のポケットには帯封のついた札束が入っていたことなども話していました。 そうした健さんの思いに触れ、一念発起した木村さんは、自費で仲間を引き連れてロケハンを行い、映画の企画をフジテレビに持ち込んだ。こうして出来上がったのが、自身の代表作『劔岳 点の記』なんだそうです。 『健さんと黒澤明さんは、自分にとって神様。後ろ姿を撮っているだけで、1分でも2分でも画面が成立する役者は、いまはもういない』と熱く語り、詰めかけたファンたちを唸らせていました」(参加したファン) いまも多くの映画人から愛される健さん。当初はファンたちから「なぜ手を合わせる場所がないのか」という問い合わせを受けて、親族たちが困惑することも多かったという。健さんと同郷で、彼の没後、親族や彼を長年、公私にわたって支えてきた「チーム高倉」など関係取材を続けてきたノンフィクション作家の森功さんが言う。 「ご遺族たちは今回戻ってきたご遺骨を小田家の墓に納骨する予定で、年内には、親族だけで納骨式も執り行うようです。まるで“漂流”していたともいえるご遺骨がようやくふるさとに戻り、敏子さんたちは、『(ファンたちに)正覚寺に来てください』と言いやすくなったことに安堵しているようです。この先、密葬に参加していた関係者から、さらにご遺骨が戻ってくる可能性もあるかもしれません」(森さん) この日は、かつての共演者からも供花が届き、ファンや遺族がゆかりの品を持ち寄って健さんを偲ぶ様子も見られた。遠くは、中国や北海道から駆けつけた関係者もあったほどだ。こうしたファンたちの思いは泉下の健さんにも間違いなく届いているだろう。 () ※女性セブン2024年11月28日号
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