【B1クラブ展望/京都】古川孝敏やカロイアロなど即戦力を獲得…ラナHC体制3季目はCS進出を目指す
チャールズ・ジャクソンや岡田侑大などを獲得し、躍進を期待されていた昨シーズンの京都ハンナリーズ。しかし、開幕5連敗を皮切りに黒星が込み、シーズン終盤には上向く兆しもあったものの、時すでに遅く、西地区最下位というまさかの結果に終わった。リーグで3番目に失点が多く、ターンオーバーもリーグ6番目という多さで、攻守両面に課題があったことは明白だ。 【動画】天皇杯2次ラウンド チャールズ・ジャクソンがオフェンスリバウンドから得点を記録 ロイ・ラナヘッドコーチが引き続き指揮を執ることで、ベースとなる戦略に大きな変更はなく、新加入選手の働きが大きな意味を持ってくる。古川孝敏は外角シュート、アンジェロ・カロイアロは内外双方での得点、過去にスティールのタイトルを獲った川嶋勇人はディフェンス、小野龍猛はパスのうまさと要所での得点力と、それぞれに持ち味が異なるバランスのいい補強に成功。そして、最後のピースとして緊急獲得したジョーダン・ヒースは内外で決定力が高い上、ブロックショットのタイトルを2度獲得したリーグ屈指のリムプロテクターだ。攻守の課題を解消し得る、昨シーズン以上の補強ができたと言える。 昨シーズンは若い選手が多く、チームを勢いづける働きが期待されたが、経験不足のほうが目立ってしまった印象もある。古川や小野などベテランの加入は、大事な場面での判断力や遂行力を高めることにもなるだろう。ラナHC体制3シーズン目は、2017-18シーズン以来となるチャンピオンシップ進出を目指し、今まで以上に勝利が求められる。2シーズン続けて王者を生んだ西地区を今シーズンこそかき回し、チャンピオンシップ争いに割って入りたい。
■KEY PLAYER/SG・SF #51 古川孝敏
過去に日本代表でもプレーした経験を持つシューターであり、強豪を渡り歩いてリーグ優勝やファイナルMVP受賞も経験してきた頼れる存在。5シーズン在籍した秋田ノーザンハピネッツでもチームを初のチャンピオンシップ進出に導くなど、貢献度は高かった。豊富な経験を京都にも還元し、勝者のメンタリティーを浸透させることができるか、古川自身にとっても大きなチャレンジとなるに違いない。 文=吉川哲彦
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