センバツ高校野球 「挑戦者」貫き決勝進出 山梨学院、春夏通じ県勢初 きょう報徳学園と対戦 /山梨
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は大会第11日の31日、準決勝2試合があり、山梨学院は広陵(広島)に6―1で勝利し、初の決勝進出を決めた。山梨県勢としても春夏を通じ甲子園での決勝進出は初めて。山梨学院は大会第12日、報徳学園(兵庫)と対戦する。【竹田直人、山口敬人】 ◇九回圧巻5得点 最後の最後で打線がつながってビッグイニングを作り、劇的な逆転勝利で決勝進出を決めた。 先制された直後の二回、4番・高橋海翔(3年)が中前打で出塁。相手の暴投などで三塁まで進み、6番・進藤天(3年)が犠飛を放って追いついた。 以降は両投手の投げ合いが続いた。先発のエース林謙吾(3年)は三回、1死一、三塁のピンチで今大会屈指の強打者で3番の真鍋慧(3年)を迎えたが、4番打者とともに連続三振に切って取った。その後も林は粘りの投球を続け、10安打を打たれながらも1失点で完投した。 試合の均衡を破ったのは、九回の圧巻の攻撃。先頭の2番・星野泰輝(3年)が出塁すると、高橋が中前に適時打を放ち勝ち越し。続く5番・佐仲大輝(3年)は適時三塁打、進藤も適時二塁打とどんどん打線がつながり、7安打を集めて5点を挙げ、試合を決めた。 ……………………………………………………………………………………………………… ■ズーム ◇攻守で活躍、頂点へ 山梨学院 星野泰輝中堅手(3年) 「頑張って投げている林のためにも、絶対に捕ってやる」。同点で迎えた八回の守備、無死走者無しの場面で、相手の打席は強打者の真鍋。深めに守っていたが、飛んできた打球は思いのほか飛距離が伸びなかった。それでも思い切りダッシュし、倒れ込みながら好捕した。 好プレーはこれだけでは終わらなかった。直後の九回の攻撃で、先頭で打席に立った。思い出していたのは準々決勝の作新学院戦(栃木)。三回の攻撃でやはり先頭の打席に入った。右前打で出塁すると、味方打線がつながって一挙7点のビッグイニングとなった。 「あのときのように味方に勢いを与え、そのまま勝つ」。決意して打席に入ると、直球に食らいついて左前打を放った。続く3番・岳原陵河(3年)の犠打で二塁へ進むと、打席は4番の高橋。塁上で「絶対に1本で還る」。高橋の中前打の間に本塁へ全力疾走し、勝ち越し点となった。勢いに乗った味方打線がつながり、準々決勝に継ぐビッグイニングの再現となった。 「甲子園で試合を重ねるにつれ、みんなの団結力が高まっているし、勢いにも乗っている」。攻守で活躍を見せた中堅手は頂点を目指す。【竹田直人】