レーベンスティール（右）

◇中央競馬コラム「馬産地インサイ道」 　G1馬6頭が出走する今年の天皇賞・秋。このハイレベルな一戦に、重賞を連勝中のレーベンスティール（牡4歳、美浦・田中博）が挑む。 　「59キロの斤量を克服したエプソムC、メンバー強化も跳ねのけてくれたオールカマーと、それぞれに違った課題をクリアしてくれました」と話すのは、レーベンスティールを生産した北海道日高町・広富牧場の高橋三千代さん。広富牧場は1973年に、三千代さんの父である修さんが創業。修さんが亡くなってからは、妻の裕子さんが代表となっている。「牝系の配合を考えたのは、亡き父となります。レーベンスティールのファンの方から、この血統に愛着があると言ってもらえるのはうれしいです」と三千代さん。 　幼少期から元気だったというレーベンスティールは、2021年のセプテンバーセールに上場されると、ノーザンファームが落札。キャロットクラブの募集馬となっていく。「ここまでの馬に育ててくださったノーザンファームの皆さん、田中（博康）先生や、厩舎の皆さんには感謝しかありません。同世代のクラシックホースや、年上のG1ホースたちと、同じ舞台で戦えるのは光栄であり、胸を借りるつもりでレースに臨んでもらいたいです」と三千代さんは話す。 　そこに心強い援軍となるのが鞍上を務める秋のG1を連勝中のC・ルメール騎手となる。「レーベンスティールには、ルメールさんの手綱に導かれてしっかりと、そして、無事にゴールすることを願っています」と三千代さん。その結果が創業以来初めてのG1制覇となってほしい。