オックスフォードをご散策 両陛下がルーツを確認された旅の締めくくりに 天皇、皇后両陛下ご訪英同行記(6完)
レンガ造りの建物や石畳の道が歴史を感じさせる街並みと、緑の調和が美しい、英オックスフォード。天皇、皇后両陛下は英国滞在最終日の28日、それぞれの留学先であるオックスフォード大のマートン・カレッジと、ベイリオール・カレッジなどに足を運び、恩師ら関係者と面会された。 【写真】おそろいの赤いガウン姿で歩かれる天皇、皇后両陛下 ■おそろいの真っ赤なガウンで 英国滞在中、唯一のお二方でのプライベートなご日程。取材はごく短時間に限られたが、より柔らかな両陛下のご表情が垣間見えた。 クライマックスはなんといっても、両陛下がおそろいの真っ赤なガウン姿で臨まれた、皇后さまの名誉学位授与式だ。 今回のご訪英に際し、大学側は皇后さまが優秀な学生であったことや、法律、国際関係の研究にひたむきに取り組まれたことなどを理由に、名誉法学博士の学位の授与を決めた。ちなみに、天皇陛下も平成3年、同様の名誉学位を受けられている。 お二方はガウンをまとい、大学関係者らとともに授与式の会場まで行進。その様子を一目見ようと、会場周辺には学生や観光客ら多くの人が集まった。 宮内庁によると、式では、ラテン語で授与の理由が読み上げられ、皇后さまが名誉学位をお受けに。入退場時にはトランペットが演奏され、式の最後には、大学の聖歌隊が歌唱を披露したという。 陛下の母校、マートン・カレッジでは、チャペルや陛下が留学時代に使用していた部屋などをお二方で見学された。 石畳の道を歩いてカレッジに入る際には、居合わせた人から、「お帰りなさい」と声をかけられ、陛下は「どうもありがとう」と応じられていた。胸元の紺地のネクタイは、留学時代に自ら購入したものだったという。 両陛下はこの日、午前中にロンドンの宿舎を出た後、夜、空軍基地から政府専用機で日本へ向けて出発される直前まで、オックスフォードを満喫された。 ■「プリンス・ヒロ」の再訪を歓迎 「お帰りなさい」「Welcome back」 22日から7日間に渡った両陛下の英国ご滞在では、行く先々で、人々の温かな歓迎の言葉が聞かれた。