「『藤原佑、指名漏れ』はイヤだなあ」ドラフト当日、大社・石飛監督が明かした“本音”…じつは伏線あった“藤原佑の独立リーグ行き”、決断のウラ側
それでも石飛は言った「足で突き抜ければいい」
そこで、「再びプロを目指す上で、何が必要になると思うか」と投げかけた。私の問いに対し、石飛が即答する。 「それはもう、あらゆるものを上回る“足”じゃないですか。足で突き抜けるんです。僕は『日本一速い』と言ってきましたけど、本当に日本一速くなって、それを証明する。日本一でダメなら、それ以上に速くなる。色々(足以外の足りない部分を)言われるとは思いますが、足で突き抜ければいいんじゃないかと思っています」 走攻守の三角形を無難に整える必要なんてない。長所を磨き抜いて、唯一無二の存在に昇華すれば、周りが放っておくはずがない。石飛が笑顔で続ける。 「僕は佑の盗塁を全部見ています。(練習試合を含めた)高校通算で200盗塁はしていると思うんですけど、それを全部見ているので。だから、これからも色んなステージで、彼が盗塁を決めるところが見たい。絶対プロに行くと思っていて、僕も諦めませんし、彼も諦めていないと思うので」
石飛監督、スーツを新調していた…
会見の前半では「藤原」と呼んでいたが、言葉に熱がこもると、グラウンド上と同様に「佑」に変わった。進路については、ドラフト時点ではこう話すにとどめた。 「一人の高校生の進路ですので、じっくり考えて、結論を出したいと思います。どの結論を出しても、その先で頑張ってくれる子だと思いますが、今後の人生を大切にしてほしいので」 ドラフトから約2週間が経過した、11月5日。独立リーグの四国アイランドリーグplusの「特別合格選手」が発表された。特別合格とは、リーグが実施するトライアウト、ドラフトを経ずに入団交渉が可能となる選手を指す。藤原は、12年連続でNPBドラフト指名選手を生み出している徳島インディゴソックスの特別合格選手として公示された。 思えば、会見時点でも伏線はあった。 実は、ドラフトに向け、石飛はスーツを新調したそうだ。着用するアンダーシャツと同じ、紺色の一品を仕立て、この日を迎えていたのだが、今回は甲子園出場時に作成した練習用シャツで登場。記者の一人が発した「そのスーツは、4年後に持ち越しですね」に対し、石飛は「それはわかりませんよ」と、いたずらっぽく微笑んだ。 質問者は大学進学と踏んでの掛け合いだったが、そうではなく、もっと早い段階で指名解禁となる進路を考えている……。それが、最短1年で再びドラフトを迎えられる独立リーグ入りだったのだ。
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