中国、偽ブランド酒との戦争…「軍特別供給酒」13万本ブルドーザーで廃棄
1本1000元(約2万円)を超える値が付く「戦友記念酒」は安い白酒を瓶に詰めた偽ブランド酒だ。漢字で「軍」と表記された「特別供給酒」は、実際にはアルコール酒精、香料、色素を混ぜて作り原価は3元にすぎなかった。 ここ数年間中国酒類市場に「専用供給(専供)」「内部供給(内供)」と表記された偽ブランドの特別供給酒が氾濫しており、消費者庁に当たる国家市場監督総局が中国全域で13万2000本に達する偽特別供給酒の廃棄公開行事を行った。 国家市場監督総局の特別供給酒廃棄行事は24日に全国で同時に開催された。国営新華社通信が26日に伝えたところによると、メイン行事は中国の銘酒生産地である貴州省の黔南プイ族ミャオ族自治州で行われ、10カ所の地方省級行事会場と画像をつないで同時に没収した特別供給酒13万2000本と包装材料9万2000件を廃棄した。黒竜江省のハルビンでは偽茅台酒など600本を廃棄するのにブルドーザーまで動員した。 貴州省市場監督局の担当者は「正常な企業は特別供給酒や内部供給酒を生産しない。摘発された製品はいずれも違法な巣窟と小規模作業場で瓶に詰めた酒で、消費者は安全が担保されていないこれらの酒を絶対に購入してはならない」と話した。 市場監督局のまた別の関係者は「最近違法業者が偽商標、あるいは政府党機関や軍と関連した特定名称、代表的建築物などの名前を借用して偽ブランドの酒を作り市場の公正な競争秩序を破壊し、特に中国の党・政・軍のイメージを深刻に傷つけた」と指摘した。 市場監督総局は3月から特別供給酒追放特別行動に突入し、これまで20の大型組織を摘発して合計66万1900本の特別供給酒を没収した。関連金額は16億4300万元に達し、逮捕された容疑者は1140人と新華社は伝えた。 中国はこの数年にわたり何回も違法特別供給酒追放作戦を展開した。中央軍事委員会後勤保障部、公安部など6部門は2022年に「軍表記のたばこと酒などの商品販売を禁止する通知」を発表してオンラインとオフラインで軍隊関連製品の販売をいずれも不法化した。 国家市場監督局食品生産経営局の鄭国棟局長は「特別供給酒を生産・販売する違法行為に対する長期的で効果的なメカニズムを構築し、特別供給酒問題を完全に根絶する」と中国中央テレビに話した。