斎藤元彦氏の再選で「テレビ不信」に動揺を見せたアナウンサーたち…「大手メディアの敗北」宣言が意味するもの
「テレビ不信」に動揺を見せるキャスターたち
兵庫県知事選の結果のインパクトは大きかった。週明けには、斎藤陣営でおよそ400人の「デジタルボランティア」がSNSでの動画拡散に寄与したことなどをフジテレビの夕方ニュース「イット!」など各ニュース番組が詳細に報じた。 印象的だったのがテレビ局を代表する出演者たちが「テレビへの不信」を突きつけられて動揺の色を見せていたことだ。
安住アナは「こういう選挙は私も初めて見たので…」
TBSの朝の情報番組「THE TIME,」では安住紳一郎アナもいつもとは違う表情を見せていた。 「こういう選挙は私も初めて見たので、みなさんも動揺しているという方が多いかもしれませんが、これだけテクノロジーが発達した時代で皮肉な時代ということができるかもしれませんが、一体どの情報を信じていいのかわからないということ、そういう声がよく聞かれます。新聞、テレビは本当のことを伝えていないのではないか。SNSはフェイクニュースもあるけれど、自分なりにどれが正しいかを選択しているけれども、それは少し他人から見ると危ういものではないか……」(安住紳一郎アナ) 自問自答するような語りの途中から、視聴者から寄せられたテレビ不信の声を読み上げる。ふだん段取りを完璧にこなす安住アナにしては珍しいことだった。 TBSの夕方ニュース「Nスタ」でも、井上貴博アナウンサーがSNSに比べてのテレビの弱点を自省する発言をしたものの、具体的な解決策を示すことはなかった。 「今回もそうでしたけど、選挙期間中になるとテレビ報道が激減する。むしろ選挙期間中に選挙報道をすべきだという思いもあります。でも、だからこそ内側にいる人間が放送法(の公平・中立・公正の原則)を言い訳にしてはいけないと思いますので。実際、我々は来年の参議院選挙で何かできることはないかと、報道局で話しているのですけど」
変革の邪魔をする“横並び意識”
テレビは長い間、監督官庁の行政の顔色を窺いながら護送船団方式でやってきたので、“横並び意識”がとても強い業界でもある。 今回も、総論ではテレビの報道のあり方を変えないとSNSで真偽不明の情報が蔓延してしまうと危惧する識者は少なくないものの、具体的な対策や各論までは示そうとはしなかった。
水島 宏明
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