苦しい試合を今まで見せたことがないような根性で乗り切った栗秋

　2024年10月12日(土)東京・後楽園ホールで開催された『KNOCK OUT 2024 vol.5』の一夜明け会見が、13日（日）都内にて行われた。 【写真】延長戦でミドルキックを放って行った栗秋 　メインイベントのKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦3分3R延長1Rで、チュームーシーフー（中国/郭強ファイトクラブ/CFP）に延長戦の末に判定2-1で勝利、新王者となった栗秋祥梧（クロスポイント吉祥寺）が出席。前夜の試合を振り返った。 「嬉しい反面、悔しい気持ちもある。差を見せたり倒せなかった問題があるので来年にでも呼んでもらってもう1回やりたいです」と、試合後のマイクでも話した通り、再戦できっちりと決着を付けたいとした。 　チュームーシーフーの攻撃力や圧力については「圧力は凄いありましたし、正直怖かったのはありますね。打撃面はハイキックと脇腹を蹴るミドルキックが効いたんですが、パンチは受けても大丈夫かなという感覚ではありました」との感想。 　手数を出して栗秋に攻撃する隙を与えないようにしていたのでは、と聞かれると「自分はいつも通りカウンターを狙っていく感覚でしたが、当たっても倒れなくて気持ちが強い選手だと思いました」とカウンター狙いだったためだと答える。 　前日会見では「意外と簡単な試合になるかもしれない」との発言もあったが、そうならなかったのは「いくつかパターンを作って来て、今回は最悪なパターンが出たというのがありました」と、思い描いていたパターンの中でも最悪の展開になったという。 　本戦の判定がチュームーシーフーに一票入ったことについて「あまり覚えていなくて。2Rにハイキックをもらってそこからはほとんど覚えてない。パンチはガードしていたし、僕は基本的には顔で倒れることはないです。もらっちゃうけれど最大限にいなせるようにはしているので、そこで確実なパンチは入れられたと思います」と、あまり覚えていないが大きなポイント差はなかったのではとする。 　延長戦でパンチではなくミドルキック＆ヒザ蹴りで行ったのは「セコンドの指示とか会長の指示もありましたけれど、2・3Rのどっちかで拳を痛めて左フックが打てないので切り替えた感じです」と、得意の左フックが全力では打てなくなっていたからだと打ち明けた。 　ベルトを巻けたことに感慨はあったかと問われると「いや、なかったです。悔しいと言うか、倒せなかったとか、僅差で勝ったのが悔しかったので終わった直後にもう1回やりたいと思いました」と、すぐに再戦で決着を付けたいとの想いになったとする。 　再戦で倒すなり差を付けられるようになるには自分がどう変わればいいか、その質問に栗秋が「今後の試合で自分がどう見せていくかで変わっていく。チュームーシーフーともう1回やっても変わっていけると思うけれど…練習量を増やすことだと思いました」と答えると、隣にいた山口元気KNOCK OUT代表は「いまさら!?」と、練習嫌いで知られる栗秋にツッコんだ。 　その山口代表からも「あんなに頑張る姿を見たのは初めて」と言われるほどの根性を見せた。その理由はと聞かれると「分からないですね」と苦笑しながらも「気持ちが入ったのは入場前に兄が『人生変えるぞ』って言ってくれたのと、3Rが終わって延長になった時に気持ちが折れていたんですけれど（苦笑）。無理だと思っていたんですけれど、兄が『ばあちゃんを思い出せ』と言ってくれて生き返りました」と、兄の言葉で根性をふり絞れたと明かした。 　今までの試合でその根性を出したことがあったかと聞かれると「無かったかもしれないですね」と笑い、「勝ったことよりも褒められるので。よかったなと思った」と、周りからも褒められたとした。 　ダメージに関しては「左拳とヒザ、わき腹ですが、試合が終わったときは頭がボーとしていて吐き気がヤバかった」が、「でも1日寝たら問題なくなりました」と大きな怪我はないという。 「次はUNLIMITED（MMAから絞め・関節技などの寝技を省いた究極打撃格闘技ルール）をやりたいと決めているので。UNLIMITEDを盛り上げていきたい。自分もこのルール好きなので」と、UNLIMITEDルールの試合をやっていきたいとする栗秋。 　チュームーシーフーと決着を付けてからでは、と聞かれると「そんな時間はないと思います。すぐにでもやりたいです。UNLIMITEDをやりつつ、チュームーシーフーには準備してもらって。いつでも再戦はやります」と、基本的には今後はUNLIMITEDルールの試合をやるが、チュームーシーフーとの再戦だけはいつでもやると話した。 　練習嫌いの栗秋が「早くUNLIMITEDしたいので、練習したいです」と、UNLIMITEDルールの練習をしたいと言って締めくくった。